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2023年8月16日 (水)

真・サラメシ

 今年の春は政府も経済団体も声を揃えて「賃上げ」を唱えた.消費者物価の上昇が著しいのに,勤労者の名目賃金は停滞したままであり,このままでは深刻な経済的不況に陥ると思われたからである.
 四月に企業の給与が改定されると,それが給与収入に反映されるのは五月である.
 そこで五月の《毎月勤労統計調査 令和5年5月分結果速報》を調べると《実質賃金(現金給与総額)は前年同月比1.2%減、実質賃金(きまって支給する給与)は2.0%減となった》と書かれている.
 結局のところ,実質賃金は2%も減少し,「賃上げ」は掛け声だけに終わったのである.
 そして実質賃金が減少したのに,さらにこの七月から怒涛の物価上昇が始まる.
 この状況下では,庶民の生活水準は更なる低下が予想されるのだが,暮しを切り詰める時にまず手を付けるのは食費の節約だ.
 そこで今現在の会社員の昼飯代はどれくらいなのか,ウェブ上の資料を読んでみた.
 
 東洋経済《「会社員の昼食代」と日経平均株価の"意外"な関係 男性会社員と女性会社員の昼食代からわかること》[掲載日 2023年7月30日 8:30] から下に引用する.
 SBI新生銀行から毎年発表される「会社員のお小遣い調査」によれば《男性会社員の昼食代の平均は624円です、一方、女性会社員はこれより少し高くて696円となっています。
 
 サブスクチョイス《会社員のランチ代って平均どのくらい?節約しつつ美味しいランチを食べたい方に朗報です!》[掲載日 2023年8月10日] から下に引用する.
アンケートを行ったのは株式会社UOCCが運営する女性向けメディア「Spicomi調査」。オフィスで仕事をしている会社員を対象に、ランチ代や年収についてアンケートを実施しました。
 全体平均:575.8円
 男性平均:561.8円
 女性平均:584.1円
 
 ファイナンシャルフィールド《会社員のランチ代は平均「400円」!? 節約するにはどうすればいいの?》[掲載日 2023年7月13日] から下に引用する.
 株式会社エデンレッドジャパンの実施した「ビジネスパーソンのランチ実態調査2023」によれば《「ここ最近の勤務日のランチ代は、平均いくらくらいですか?」という問いへの回答をまとめると、平均の昼食代は400円であったと発表しています。
 
 他のメディアもエデンレッドジャパンの「ビジネスパーソンのランチ実態調査2023」を引き合いにすることが多い.
 詳細データ不明だが,会社員の昼食代は低落を続けているらしい.
 仮に「ビジネスパーソンのランチ実態調査2023」が実態を反映しているとすると,節約派のランチは,例えば自宅から会社に水筒持参でコンビニお握り二個を買って食べるというレベルである.
 節約派よりもう少し懐具合のよい若い男なら立ち食い蕎麦に行く.あるいはちょっと贅沢して牛丼の並を食う.
 昼飯代平均四百円というのは,そのような慎ましい内容なのである.
 昔は牛丼,カレーライス,立ち食い蕎麦が会社員の昼飯御三家であったが,カレーはもはやワン・コインのランチではなくなってしまった.ココイチで質素なカレーを一皿食べれば八百円を超過するのだ.
 
 ところがテレビでは,例えばNHK《サラメシ》が東京駅の大手町側で「あなたのランチを絵に描いてくだい」なんていうロケをしていて,昼ご飯を済ませた男女会社員たちが,クレヨンで食べたばかりのランチの絵を描く.
 その絵のランチの絵から想像すると,これがかなり豪勢な昼食なんである.たぶん千五百円クラスの価格だ.
 また同じくテレビでグルメ番組を視聴していると「行列ができる評判のランチ」みたいな企画が放送されていて,見るからに旨そうな町中華料理を女性会社員たちがワイワイと楽しく食べている.
 その画面の隅に表示された料理のお値段はというと,千五百円前後である.
 これはどういうことだろう.
 素直に受け取れば,会社員は,昼飯代が平均四百円の層と,千五百円の層に二極化しているのだろう.
 ここで会社員が利用しそうなレストランのランチ例を挙げてみる.
吉野家    牛丼 (並盛),¥408 (税込¥448)
名代富士そば 天ぷらそば,¥491 (税込¥540)
ガスト    日替わりランチ (ハンバーグ&チキングリル,ライス,スープ付き),¥455 (税込¥500)〜¥682 (税込¥750)
サイゼリア  牛100%ハンバーグ (ライス,スープ付き),¥546 (税込¥600)
やよい軒   和風おろしハンバーグ定食 (御飯と味噌汁付き),¥764円 (税込¥840円)
餃子の王将  焼肉ランチ (焼肉,餃子,ライスとスープ),¥790円 (税込¥869円)
 
 昼飯代を次第に削らなければならなくなっている勤労者層に対して,ワン・コインで定食を提供しているガストや,しっかりした内容で千円あればお釣りがくるサイゼリア,やよい軒,餃子の王将は庶民に寄り添っていると言うべきだろう.
 では,それらとは少し毛色の異なる大戸屋はどうか.
 一番安い大戸屋ランチ定食こそ税込¥890だが,献立の多くは千円以上のゾーンに入っている.
 大判アジフライ定食 (夏季一万食限定) は税込¥1,590にもなるが,毎日この価格クラスの定食を食べられる会社員は多くないだろう.
 さりとてこれを注文した女性が写真をSNSにアップするような見た目のクオリティではない.
 (画像はLIMO | くらしとお金の経済メディア《【大戸屋】新メニュー「大判アジフライ定食」 とんでもない大きさのアジフライに衝撃走る》[掲載日 2023年8月17日])
 つまり要するに誰をターゲットにしているのかわからないのが大戸屋だ.会社員たちにも富裕な層にも人気がないのもむべなるかな.
 NHK《サラメシ》を観ればわかるように富裕層は東京駅の周辺のおしゃれな店で昼食を摂っている.
 一般会社員たちのランチは,平均的にはコンビニ飯であり,たまにワン・コインのランチで贅沢するといったあたりなのだろう.
 
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ウクライナに自由と光あれ
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(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)


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