世代論は血液型性格分類みたいなもんだ
テレビで池上彰の時事解説番組を視聴していると「Z世代って何のことだかわかりますか」とか「α世代の意味を知ってますか」などという.
すると松井直美が素っ頓狂な回答をして,秋元真夏さんがちょっとボケ加減のことを言うのだが,伊集院やカズレーザーが正解を答えると池上彰は「さすがですねー」と二人をホメる.これが安定の進行だ.
私はこういう番組を喜んで観ているので「Z世代」「α世代」という言葉を聞いたことはあるのだが,どうせエジプト文明以来の「最近の若いやつはだめ」という文脈で語られる話だろうと思っていたら,違うらしい.
スポニチアネックス《山口真由氏「若者って批判の対象にされてきた」「意味あんの?」Z世代をもてはやす風潮に苦言》[掲載日 2023年7月17日16:26] から下に引用する.
《元財務省官僚で信州大の山口真由特任准教授(40)が、16日放送の読売テレビ「そこまで言って委員会NP」(後1・30)に出演。Z世代をもてはやす風潮に苦言を呈した。
番組では、好意を寄せていた異性が振り向いた瞬間、急に恋が冷める「蛙化現象」がZ世代の流行語になっていることを取り上げ、理解できるか、できないかをコメンテーターに尋ねた。
山口氏は「こんなコトにまで迎合しZ世代をもてはやす?」と理解できないと意見。「私はそもそもそんなの大人が真面目に話す話かと思うわけです」とし「昔から若者って批判の対象にされてきて相手にされなかったのに今、少子化になってZ世代が少なくなると“あー、Z世代すごい”って蛙化現象とかイチイチ取り上げるのがよくない」ともてはやす風潮に首をかしげた。
……》
何だかよくわからぬが,山口真由さんによると,それまでの有象無象の世代に比較するとZ世代は「すごい」と絶賛発売中なんだとか.
それで「Z世代 × すごい」で検索してみたら,なるほど Z世代 は絶賛発売中であった.
ちなみに,Wikipedia の解説は以下の通りである.
Wikipedia【Z世代】
《Z世代、ジェネレーションZ (英: Generation Z) とは、アメリカ合衆国をはじめ世界各国において概ね1990年代中盤から2010年代序盤までに生まれた世代のことである。生まれた時点でインターネットが利用可能であった人類史上最初の世代である。いわゆるデジタルネイティブでもある。》
Wikipedia【α世代】
《α世代、ジェネレーションα (英: Generation Alpha) は、アメリカ合衆国や英語圏などにおいて概ね2010年代から2020年代中盤 (もしくは終盤) にかけて生まれる世代とされるが、2020年代前半時点で定義は厳密には定まっておらず流動的である。 オーストラリアの世代研究者・コンサルタント、マーク・マクリンドルが2005年に考案した。
ミレニアル世代 (Y世代) の次々世代、Z世代の次世代に当たり、ラテン文字の最後に当たるZの次にギリシャ文字の最初に当たる「α」を採用 (アルファベットの進行をリセット) し、新たな時代の始まりをイメージした世代名として考案された。》
山口真由さんの憤懣は当然だ.山口さんは1983年7月6日生まれの四十歳だが,その辺りの世代は何とよばれているか.
・氷河期世代 1971年4月2日-1982年4月1日
・キレる17歳世代 1982年4月2日-1987年4月1日
「氷河期世代」は行政上の必要から政府による定義がある.
これに対して「キレる17歳世代」は誰が言いだしたのか不明の世代論用語である.世間から注目される凶悪少年事件が2000年に何件か起きたというだけのことらしい.
たったそれだけのことで,山口真由さんは「キレる17歳世代」に属することになっている.
まことに失礼な話だ.w
山口さんに限らず私たちは一人一人別の存在であって,別々の人生を送る.
それなのに,何の根拠もなく皆を十把一絡げにして例えば「ゆとり世代」だとか「しらけ世代」だとか呼ぶのは「血液型性格分類」と同様のフィクションである.
しかも呆れたことに,Wikipedia の解説によると「Z世代」とか「α世代」は米国の若者についての説だというではないか.
それをどういうインチキか,ウェブを検索したらヒットする「Z世代すごい」論を読んでみると,環境など種々の条件が米国とは全く異なる日本に米国世代論を適用して「Z世代すごい!」と書いてある.
とまあ,そういうわけで山口さんのお怒りはもっともなのである.
日本の世代論がこれまで常に「最近の若いやつはダメ」だったのに対して,いま流行りの「Z世代すごい」論がポジティブなのは,「Z世代」というフィクションが米国発だからかも知れない.
ところで,現代日本の青少年がなりたい職業は YouTuber だという調査結果がいくつもある.
この風潮の悪しき影響で回転寿司はビジネスモデルの変更を余儀なくされたのだが,その一方で,地に足の着いた起業を目指すDCON2023 (高等専門学校生生徒による事業案コンテスト) を観ると,私のようなポンコツの大人は目を見張るくらい優秀な若者たちが活躍している.世代論に騙されぬようにしたいものだ.
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ウクライナに自由と光あれ
(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)
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