無着先生は大往生せり
昨日,「山びこ学校」編者・無着成恭氏の訃報に接した.享年九十六.
大往生というべきだろう.
昨年九月に厚労省が発表した資料によれば,日本の総人口 125,502 (単位千人) のうち,百歳以上はわずか 90,526人である.
割合 (%) を計算すると,90,526/125,502000 × 100=0.07 (%) である.
つまり百歳以上生きる人は非常に希なのである.
これを平均余命の推移で表現すると下図になる.出典は令和二年版厚生労働白書 (本文掲載図表) である.
ただし,この図表は「平均寿命」とされているが,正しくは「平均余命」である.

長寿者のほとんどは女性であるが,2019年の87.45年から2040年までの89.63年 (推計値) にいたる二十一年間に,二歳余しか平均余命は増加していない.
つまり将来の出生率の低下があまり酷くないと楽天的に仮定 (詳細は出典参照) しても,平均余命の増加は上図のように頭打ちであるから,「人生百年時代」は実際にはあり得ない嘘である.
仮に平均余命の増加が頭打ちにならない良い条件を設定して,「人生百年時代」が到来するように超楽天的に推計しても,それにはあと数百年かかる計算だ.
次にこれを,いわゆる人工ピラミッドで見てみる.出典は総務省統計局「人工ピラミッド 2020年」である.

上の図は2020年時点のデータによるが,70~74歳が多いのはいわゆる団塊の世代であることの影響である.
そして,団塊の世代男性は,三年後の七十代後半から急速に死亡減少していく.
これを見ると,いかに無着成恭氏が長寿であったかがわかる.
しかし無着氏はただの長生きではない.氏のように戦後の教育界に今も語り継がれる業績を遺し,かつ大長寿を得た人生は羨ましい.
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ウクライナに自由と光あれ
(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)
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