ねことじいちゃん 9
猫漫画『ねことじいちゃん (9)』を寝転がって読んでいたら,主人公の大吉じいさん (春山大吉) が小学校の五年生の時,父親に連れられて映画を観に行った思い出が描かれていた.
Wikipedia【ねことじいちゃん】には《大吉じいちゃん(春山大吉) 作品の主役。75歳》と書かれているが,これは誤解を招く.
春山大吉は先の戦争では米軍機の空襲を経験した戦中派で,戦後生まれの私 (七十三歳) より一世代上の設定である.
最初の作品発表時 (2015年) にWikipedia説の七十五歳であるとすると,最近刊の第九巻までに八年が経っているので,第九巻の作品世界では八十三歳ということになる.しかしそうであるとすると,空襲経験があることと矛盾する.
つまりWikipedia【ねことじいちゃん】の記述を編集した人物はたぶん若い人で,時代考証が不得意と見える.
まあ,大吉じいさんの年齢は現在八十代後半と思えばよい.
で,『ねことじいちゃん (9)』によれば,大吉じいさんが父親と観た映画は,嵐寛寿郎主演の「鞍馬天狗」だったというのだが,大吉じいさんが小学五年生で,かつ「戦後公開の『鞍馬天狗』」という設定に合致する作品が存在しない.
というわけで,作者の「ねこまき」さんはお若いとはいえ,もう少し時代考証をして欲しかった.
それともう一つ.『ねことじいちゃん (9)』の中に描かれている「鞍馬天狗」はスクリーンが横長のスコープ・サイズであるが,嵐寛寿郎主演の「鞍馬天狗」が制作された時代の邦画はスタンダード・サイズだったはず.
「ねこまき」さんはそんな映画は観たこともないだろうから致し方ないが,大吉じいさんより若い私でも違和感を拭えないのが残念だ.
(スタンダード・サイズ邦画の例;YouTube《『ゴジラ』 | 予告編 | ゴジラ 第1作目》,YouTube《東京物語 (1953)》)
ウェブ上のコンテンツは誤字だらけだが,紙の出版物では珍しい誤植が『ねことじいちゃん (9)』の巻末広告ページにある.
《幅広い世代に指示される》がそれ.もちろん「支持」の誤変換だ.
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ウクライナに自由と光あれ
(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)
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