自治体が行う検診の決済代行機関
横浜市国保の健康診断 (特定検診) の受診券が送られてきた.
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この受診券を使わないと,約一万円かかる検査を無料で受けられません.
横浜市国保では年間約十一万人が受診しています.
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と封筒に書かれているが,横浜市の高齢者人口 (六十五歳以上) は約九十二万人で,そのほとんどは組合健保ではなく国保だと思われるが,特定検診受診者は非常に少ない.
昔から横浜市国保の検診は受診者が少なかったらしいが,コロナ禍でそれに拍車がかかったという.
かなり前には受診対象者の受診率が公表されていたらしいのだが,現在は市サイト内を探しても見つからなくなっている.
検査項目は,空腹時血糖,HbA1c,血清クレアチニン,血清尿酸,尿潜血である.
私は二ヶ月に一度これらの項目の検査をかかりつけのクリニックで受けている (保険適用) ので,受診する必要がない.
特定検診受診者が少ないのは,私と同じように定期的にもっと詳しい検査を保険適用で行っている市民と,自覚的には健康であるため検診の必要を感じていない市民に二極化しているせいではないか.
それはいいとして,横浜市の特定検診を受診するには,被保険者証 (いわゆる「紙の健康保険証」) またはマイナ保険証が必要である.
被保険者確認のためにマイナ保険証を使用すると,特定検診結果は自治体 (横浜市) と政府 (厚労省) が記録保存することになるが,既にマイナ保険証の欠陥として明らかになっているように,他人の健康情報と入れ替わる可能性がある.
受診した本人が医療機関を受診した際に,当該医療機関がこの間違ったデータにアクセスすると,医療に支障をきたす可能性があるのだ.
従って,マイナ保険証のシステム不具合がすべてフィックスされるまで,特定検診の被保険者確認にマイナ保険証を使用するのは危険である.
自治体が検診結果を保存するのは市医療行政に反映されるから有意義だが,マイナ保険証経由で政府のデータベースに書き込まれるのは,システムに不具合がある現時点ではデメリットしかない.(自治体は検診結果を政府に報告するが,その際は「匿名化されたデータとして報告される/後述」と市は述べている)
そこで,強制的に紙の保険証が廃止されるまでは,私は紙の保険証を使い続けることにしている.
もう一つ問題がある.横浜市の特定検診の注意事項に次の記載がある.
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特定検診結果のデータは,決済代行機関で点検されることがある他,国への実施結果報告として匿名化され,部分的に提出されますので,ご了承の上,受診願います.
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問題とは文字を着色した箇所である.
実際に検診を行った機関 (医療機関や検査センターなど) は費用を自治体に請求するわけだが,事務上の必要から,当該機関と自治体とのあいだに金銭の「決済代行機関」が介在する.
この「決済代行機関」は,《特定検診結果のデータは,決済代行機関で点検される》 と書かれているように,検査データの中身にタッチするというのだ.
なぜそんな必要がある?
金融機関は金銭の決済をするだけでいいではないか.
思うにたぶん自治体は,検診データを記録したUSBメモリを「決済代行機関」に丸投げする.
そしてそのデータがどう使われるかを市民は知ることができない.
時々報道されるように「USBメモリを決済代行機関の社員が紛失した」なんて事故が発生すると明らかになるが,膨大な個人医療情報が闇に消えるのだ.
本当に「紛失した」のかは確かめようがない.そして「個人情報流出による被害は報告されていない」というのが落としどころだ.
私たち市民が《特定検診結果のデータは,決済代行機関で点検される》ことに異議を申し立てても,市は聞く耳を持たないだろう.
だとすれば,自治体の特定検診は受診せずに,かかりつけの医師に検査してもらうのがよいと私は考える.(註)
医師の倫理感は,金融機関の社員のそれよりも信用できるからである.
[註] 若い人たちのように完全に健康体だと検査費用は高額だが,私たち高齢者はあちこちガタがきているので,気になる自覚症状をかかりつけ医に相談すると,それでは検査してみましょう,ということになって保険適用でやってもらえる.
検査は,自分の健康状態を知るために医師と相談しながら受けるのがよい.
特定検診で検査する血糖値とか尿酸値とかに関してなんの不安もない人は漫然と検診を受ける必要はなく,それはそれで結構なことである.
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ウクライナに自由と光あれ
(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)
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