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2023年3月12日 (日)

腑抜けの茨城県立図書館

 読売新聞《便器にトイレ紙詰め込まれ、使用不能に…図書館「ぜったいにゆるさなーい!」》[掲載日 2023年3月11日 06:30] から下に引用する.
 
茨城県立図書館 (水戸市) の男性用トイレの個室で今月5日、便器にトイレットペーパーを詰め込まれ、使用できなくなる被害が起きた。昨年9月にも同様の被害に遭っており、図書館はツイッターで被害を訴えるとともに、水戸署に相談している。
「なんで、こんなことをするんだろう」「ぜったいにゆるさなーい!」。図書館が7日にツイッターで写真とともに被害を公表した。被害は昨年9月6日と今月5日に、2階の男性用トイレの同じ個室で起きた。いずれも複数のトイレットペーパーを便器の中に入れて詰まらせ、床や壁にもぬれた紙が散乱していたという。
 トイレは修理中で11日から使える予定だが、図書館は昨年12月中旬から、配管工事で全フロアのトイレが使用できず、先月中旬にようやく使えるようになったばかり。職員は「他の利用者のことをしっかり考えて気持ちよくトイレを使ってほしい」と呼びかけた。
 
 上の記事にある同図書館の公式ツイッター (3/7) を下にスクリーン・ショットで引用する.
 
20230311b
 
 駅とか商業施設などパブッリックなトイレの便器を,使用者が小便で汚してしまうのは残念ながらよくあることだ.
 私の行動範囲にあるJR藤沢駅の男性用駅トイレは,定期的に行われる清掃から時間が経つ (例えば深夜とか早朝とか) と,かなり酷いことになっている.
 私が会社員だった時,出勤途中で便意を催して藤沢駅の男性用駅トイレに立ち寄ると,個室はいくつもあるのだが,その一つあるいは二つが,昨夜の吐しゃ物とか下痢便などで惨状を呈していることが多々ある.こういうのは踏みたくないから,必死に便意をこらえて隣の大船駅,戸塚駅さらには横浜駅のトイレに行くことになる.ま,どこも似たり寄ったりなんだけど.
 小便器が並んでいるところの床も朝の清掃前にはグショグショだ.
 小便器が設置されている壁には「あと一歩前にお進みください」などと貼り紙に書かれていることがあるが,まるで無視する奴を目撃したことが何度もある.
 そいつらは「あと一歩前に」どころか,普通の立ち位置から三十センチくらい後ろに立ち,そこから小便をするのである.
 結果,放尿の最後は床に小便を垂れ流すことになる.
 あれはどういう心理なのか.たぶん「俺って巨根なんだぜー」というアピールなのかと思われ,御同慶の至りであるが,それにしても三十センチも後ろに下がるのは,ダニング=クルーガー効果ではないか.(参考:日経ビジネス《能力の低い人ほど自分の能力を過大評価する》[掲載日 2022年8月8日])
 ま,それはそれとして,上に紹介した茨城県立図書館の事件は何かのアピールではなく歴とした犯罪である.
 すなわちこの種の公共トイレの損傷行為は,例えば茨城県立図書館が告訴すれば器物損壊罪に問われる.(刑法264条)
 法定刑は三年以下の懲役または三十万円以下の罰金もしくは科料である.
 で,いわずもがな本件は,回転寿司テロと同根の犯罪である.
「もう回転寿司の醤油差しペロペロなんかだせーよ.おいらはトイレをやったるぜー.おれって頭いいー」というわけだ. 
 同図書館は水戸署に相談していると報道されているが,ためらわず被害届を提出して,これまでの被害者企業と同じく「刑事と民事の両面から厳正に対処」して欲しい.
 
 さて,ここで一つ問題がある.読売新聞の報道の (文章の) 質である.
職員は「他の利用者のことをしっかり考えて気持ちよくトイレを使ってほしい」と呼びかけた》と読売の記事にあるが,この職員のコメントは,トイレ損壊とは無関係のことである.つまりこの職員はトイレ使用者に守って欲しいマナーについて述べている.
 このコメントを《トイレは修理中で11日から使える予定だが、図書館は昨年12月中旬から、配管工事で全フロアのトイレが使用できず、先月中旬にようやく使えるようになったばかり》に続けると,あたかも図書館職員がトイレ損壊加害者に対してマナーを守って欲しいと《呼びかけた》という文脈になる.しかし本件は,上に述べたように,そんな暢気なことを言ってる場合ではないのである.
 読売の記者は,こういう日本語損壊罪に問われる文章を綴っても平気なのだ.読売新聞の日本語がおかしいのは昔からだけどね.
 
[続き]
 上に書いたことの趣旨は「読売新聞の記者が能天気な記事を書いた」というものだったが,それは誤りだった.読売の記者がダメなのではなく,茨城県立図書館が腑抜け腰抜けなのであった.誤り部分に取り消し線を付けて訂正する.
 まいどなニュース《「ぜったいにゆるさなーい!」図書館のトイレ個室の惨状に「どうやったらこうなるの」「モラル疑う」の声殺到》[掲載日 2023年3月12日] によれば,茨城県立図書館としては,法的措置をとらないという態度であるようだ.
 
──警察への被害届などは。
「当日中に警察へ相談しました。把握していることを公表してもいいとの助言を受け、個室閉鎖を知らせる張り紙に警察に相談した旨を記載しました」
 1階に人気のカフェを誘致した同図書館は「珈琲を楽しみながら、ゆっくり読書」を謳う、本好きにはたまらない憩いの場。取材に応じた職員は「Twitterの投稿で多くの人に『おかしいよね』と共感してもらえました。今回のことを怒るのは我々図書館員だけでいいです。(いたずらした人を)糾弾するよりも、みんなの図書館だから気持ちよく、お互いに配慮しながら使おうーーという気持ちが広がってくれたら」と話しました。
 
今回のことを怒るのは我々図書館員だけでいいです》は,同図書館は無法行為に立ち向かわないということだ.
 今回のことは《我々図書館員だけ》のことにするから,警察は手を出すなということだ.
 こういう事なかれ主義は,いかにも公務員らしい.情けない.
 図書館が腰抜けならばと犯人は図に乗って,次は蔵書を損壊し始めるぞ.それでもいいのか.図書館として恥ずかしくないのか.
 
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ウクライナに自由と光あれ
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(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)


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