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2023年3月16日 (木)

ひとに責任を押し付けて逃げる教育者

 毎日新聞《校長「金払ってないから必要ない」 就学支援生徒の修学旅行クーポン》[掲載日 2023年3月15日 06:30] から下に引用する.
 
北海道余市町立の中学校が2022年10月の修学旅行で、本来は全ての生徒に配る必要がある新型コロナウイルスに関連する旅行支援のクーポンを就学支援認定世帯の生徒に配っていなかった問題を巡り、校長が旅行会社との事前の打ち合わせで「旅行代金を払っていないのだから、クーポンを配布する必要はない」と話していたことが判明した。毎日新聞が町に情報公開請求し、学校と旅行会社とのやり取りを入手した。
(中略) 
道教委は「修学旅行は学校生活の中でも特に思い出に残る行事。二度とこのようなことがおきないように再発防止に努めたい」とコメント。旅行会社は対応の誤りを認め、保護者に謝罪した。
 
 上の件について,道教委と旅行会社は対応の誤りを認め,旅行会社は保護者に謝罪した.
 しかし問題の校長と修学旅行引率教員はその後どうしたか.
 この件を昨年末に報道した朝日新聞は,旅行会社がクーポン配布の対応を誤ったとしたが,実は旅行会社 (日本旅行) は校長の指示に従ったのであった.
 この朝日の報道を疑問に思った毎日新聞が余市町に情報公開を請求し,朝日の誤報を明らかにしたのが経緯である.
 昨日の毎日新聞の報道を受けた共同通信は,校長と修学旅行引率教員の謝罪の有無については触れていない.そのため共同通信加盟の地方紙は共同の配信を掲載しただけで終わっている.
 以下,朝日新聞デジタル《就学援助の生徒、修学旅行でクーポン受け取れず 「対象外」告げられ》[掲載日 2022年11月16日 20:16] から下に引用する.文字着色部分が誤報である.
 
北海道余市町の町立中学校が10月に実施した3年生31人の修学旅行の際、経済的な理由で町の就学援助を受けている7人に対し、政府の「全国旅行支援」で飲食などに使えるクーポン6千円分を配っていなかったことがわかった。旅行会社の担当者が二重に公費援助を受けられないと制度を誤って解釈していたことが原因だった。
 町教育委員会と日本旅行(東京都)によると、修学旅行は日本旅行北海道(札幌市)が手配し、2泊3日で岩手県を訪れた。学校は同県発行のクーポン(1人6千円分)を生徒31人全員に配る予定だった。ところが出発直前に同社担当者から、町の就学援助を受けている生徒はクーポンの配布対象にならないと伝えられた。これを受け、教員が、宿泊先で就学援助を受けている7人に「対象外」であることを伝えたという。
 担当者は、生活保護世帯など公費の就学援助を受けている生徒はクーポン配布の対象外だと思い込んでいたという。》(引用文中の文字の着色強調はとうブログの筆者が行った)
 
 校長は朝日新聞の取材に対して,責任を旅行会社の担当者に押し付けて素知らぬ顔をしていたのだが,天網恢恢疎にして漏らさず,毎日新聞の調査報道によって事実を明らかにされてしまった.この校長,逃げ足のはやいなかなか立派な教育者ではないか.w
 また,この件は朝日新聞の記者が悪いわけではないが,件の校長と町教育委員会に簡単に騙されたのは如何なものか.取材力が問われるだろう.
 
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ウクライナに自由と光あれ
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(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)


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