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2023年2月22日 (水)

橋本愛喜というライターは,飲食店に「不法行為をせよ」とそそのかしている

 現代ビジネス《スシローの迷惑少年に「正義」を振りかざし「フルボッコ」にする、大人たちへの違和感》[掲載日 2023年2月22日] の中で,橋本愛喜というライターが愚かなことを書いているので,下に引用して,その馬鹿さ加減を紹介する.
 
この回転寿司店での一件以降、また自らもバズりたいと思う人たちによって「迷惑行為動画の発掘作業」が盛んになっており、過去の動画が掘り返されては企業が対応に追われている事例もある。
 このような迷惑行為防止のためには、現在飲食店がおこなっているように醤油さしなどを撤去するのも1つの手だが、根本的な解決のためには、損害賠償請求額をあらかじめ高額に提示し、店内にその旨を掲げておく、「カメラにはカメラを」で監視の目を増やすなど、一歩踏み込んだ対応が必要となるだろう。
 
 橋本愛喜の,新潮社のサイトに掲載されている著者プロフィールには《フリーライター。元工場経営者、日本語教師……》とあるが,ライターを名乗って原稿料を稼ぐのであれば,上の引用箇所のような嘘を書いてはいけない.雑誌に嘘を書くのは,読者にとっても出版社にとっても迷惑行為である.
 ただでさえ嘘を書き散らすのは迷惑行為であるのに,迷惑行為について嘘を書くのは頭がおかしいとしか言いようがない.
 
 さて私たちが社会人として心得ておかねばならない法律知識の一つは「損害賠償とは何か」であるが,他人に損害を与えた場合,その損害を賠償することを損害賠償という.そしてここでいう損害は「債務不履行によるもの」と「不法行為によるもの」に大別される.
 この記事の冒頭に紹介した橋本愛喜の駄文はスシローの一件であるから,損害は「債務不履行による損害」ではなく「不法行為による損害」である.(註;Wikipedia【債務不履行】Wikipedia【不法行為】)
「債務不履行による損害」に関する解説はウェブ上の解説に譲るとして,「不法行為による損害」に関する最低限の知識は,民法の下記の三条である.(法令検索システム e-GOV から引用)
 
(不法行為による損害賠償)
第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
(財産以外の損害の賠償)
第七百十条 他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。
(近親者に対する損害の賠償)
第七百十一条 他人の生命を侵害した者は、被害者の父母、配偶者及び子に対しては、その財産権が侵害されなかった場合においても、損害の賠償をしなければならない。
 
 この条文の《他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者》から明らかなように,「不法行為による損害賠償」は,当該不法行為によって被害者が受けた損害についての補償である.従ってその損害は,当該不法行為との因果関係がなければならない.
 ある回転寿司店が,来店客に対して貼り紙で「来店客が悪意で不衛生な行為を行った時は,損害賠償請求します」と告知するのは構わぬが,橋本愛喜が教唆するところの《損害賠償請求額をあらかじめ高額に提示》した場合,この客への周知自体が不法行為の色を帯びる.
 例えば「来店客が悪意で不衛生な行為を行った時は,五千万円を損害賠償請求します」としたらアウトだ.
 客による当該不法行為と賠償額との間には因果関係が必要なのである.
 これについての簡単な説明は Wikipedia【不法行為】にも以下の解説がある.
 
因果関係
 不法行為は行為者に対して損害に対する責任を課すものであるから、発生した損害と加害者の行為との間に因果関係が存在することが必須の要件となる。被告の行為と損害の発生との因果関係については原告側に立証責任がある。
「あれなければこれなし」という関係 (事実的因果関係) だけでは際限なく関連性が認められる場合もある。これを防ぐために適切と思われる範囲で制限するため、社会通念上、その行為がなければその損害が生じなかったことが認められ、かつ、そのような行為があれば通常そのような損害が生じるであろうと認められるような関係、つまり、相当因果関係(不法行為)という概念が用いられる。
 
 際限のない過酷な損害賠償請求を防ぐために《社会通念上、その行為がなければその損害が生じなかったことが認められ、かつ、そのような行為があれば通常そのような損害が生じるであろうと認められるような》適切な金額に賠償額を制限することが必要で,かつその賠償額が適切であることは原告に立証責任がある.
 上に挙げた「五千万円を損害賠償請求します」という例では,この額が適切であることを店側が立証しなければならない.
 しかしこれはかなりハードルが高い.極端なことを言えば,卓上の醤油ボトルを舐めても,テーブルの上に放尿脱糞しても同じ五千万円だという理由を合理的に説明しなければいけないからである.ヾ(--;)
 それをせずに,客の不法行為の内容にかかわらず《あらかじめ高額に提示》することは,注意喚起でも警告でもない,ただの恫喝である.
 おそらく橋本愛喜の頭の中には,個人所有の駐車場によくある貼り紙すなわち「無断駐車した人からは罰金百万円を徴収します」が想起されているに違いない.
 その手の貼り紙は,「百万円徴収すると警告したはずだ!」と無断駐車した者から百万円を実際に徴収したらこれは恐喝罪に問われることになる.
 橋本愛喜が教唆するところの《損害賠償請求額をあらかじめ高額に提示》はそれと似ていて,法的根拠がない.高額の損害賠償請求するのは勝手だが,それは民法の損害賠償請求とは全く無関係な行為である.
 繰り返すが,店側が「来店客が悪意で不衛生な行為を行った時は,損害賠償請求します」と貼り紙等で来店客に告知するのは構わぬが,橋本愛喜が教唆するところの《損害賠償請求額をあらかじめ高額に提示》は,恐喝に近い.
 橋本愛喜はこの恐喝的行為を《根本的な解決》だと主張しているが,私が店の顧問弁護士なら全力で阻止する.それくらい愚かな行為である.
 橋本愛喜は「ブルーカラーの労働問題」について講演や執筆をしているらしいが,労働問題を扱うことは非常に法律知識を要する.
 上に示したように,橋本は民法第七百九条を読んだこともないようだ.ということは,どうせ労働問題でも嘘を吐きまくっているのだろう.
 現代ビジネス誌は,こういう馬鹿なライターに記事を書かせてはいけない.
 
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ウクライナに自由と光あれ
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(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)

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