科学オンチ
日刊ゲンダイDIGITAL《H3ロケット発射「失敗」を「中止」と…JAXAが一貫した“組織のメンツを守る”話法》[掲載日 2023年2月19日 06:05] から下に引用する.
《打ち上げ「中止」なのか「失敗」なのか……SNSでは識者らが、JAXAの「話法」に問題があると指摘している。太平洋戦争で当時の日本軍大本営は、作戦失敗による退却や撤退でも「退却」「撤退」とは呼ばず「転進」を使った。部隊の「全滅」は「玉砕」と表現した。これらは言葉を操作して組織のメンツを守る話法で、当時の新聞やラジオはこうした大本営発表をタレ流した。
今回批判された記者は、JAXAの“大本営発表”のような説明に納得が行かず、執拗に食い下がったとも取れる。》
読売,朝日,毎日,日経,産経の各紙並びにNHKは JAXA の発表を尊重して「中止」「打ちあがらず」「発射できず」「不成功」などと評価した.
文科省も「中断」と発表した.
予備日が残っている以上,H3発射計画はまだ決着がついていないと私は考える.従って表現は「中止」あるいは「中断」が妥当である.
ではなぜ事態が紛糾しているか.
共同通信は,JAXA のパートナーである三菱重工の株価が下がることを期待していたのだろう.
日本の現状における株式投資は,まず下落させておいて,それが値を戻すことで利益を得る形をとっている.
投資家にとっては,好材料を探して株価上昇を期待するより,悪い材料を探すスタイルがずっと確実に利益をもたらす.(スシローの一時的株価下落もその一例である)
だから投資家にとっては,H3ロケットは「失敗して欲しい」のである.
共同通信の記者も,日本の科学技術のことなんかより株価重視で,H3ロケット には失敗して欲しかったのだろう.この記者の捨て台詞は,あの科学オンチの蓮舫を彷彿とさせる.
ゴシップ紙の日刊ゲンダイとしては,ことを荒立てたいのがホンネだろう.
だから,件の共同通信の記者も驚くと思うが,大胆にも JAXA を大本営になぞらえた.
読者としては,その流れなら日刊ゲンダイが JAXA 解体を叫ぶのかと思いきや,なぜか急に腰砕けになって,下の一節のように JAXA の肩を持った.
《ロケット本体そのものが破壊されずに済んだのは何より。22年ぶりの新型ロケット。コンピューターソフトが更新されるたび、ちょっとした「バグ」(瑕疵)が起きている状況を考えれば、「超」がつく精密機器の集合体でもあるロケットの発射が、むしろ大事故を起こす直前に「制御」されたのだから。》
取材力の無いチッポケな夕刊紙としては共同通信にヨイショしなけりゃならんし,しかしさりとて JAXA ファンを怒らせたくはないし,というわけで,日刊ゲンダイは右往左往の記事を載せたのである.主要メディアや文科省を批判して JAXA 解体を主張するならそれも一つの見識であるが,どっちつかずは見苦しい.
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ウクライナに自由と光あれ
(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)
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