大手の回転寿司店を利用するのはやめよう
私はもう長いこと大手の回転寿司を利用していない.理由は不衛生だからである.
十年近く前のことだがスシローで,客が醤油さしのノズルを舐めたり,鼻の穴に突っ込んだり,醤油の小皿を舐めたり,もうやりたい放題の無茶苦茶をやったことがある.
その時の私の感想は「やっぱりなー,だめだなー」であった.食品衛生,食品安全という観点からすると,大手の回転寿司は「食品テロ」に対して完全に無防備だったし,経営側の関心も低かった.何も乗っていない皿がレーンを回っているなんぞはよく見かける光景だった.(かなり昔から食品業界では「食品テロ」とその反対語である「フード・ディフェンス」という言葉は一般化していた)
しかし回転寿司全部がだめなのではなくて,小規模店では職人がカウンターの中にいて接客しているわけだから,こういう店は大丈夫である.全く意識が低くてだめなのは,接客業務を可及的に排除したシステムを推進した大手のスシローなどであった.客と店員が顔を合わせない商売ってのが流行りだったのである.
しかもスシローは,何度も客による食品テロの被害に遭っていたのに,断固たる法的措置をとらずに済ませてきた.
物理的防衛措置,例えば全席を防犯カメラで監視する等を実施するどころか,犯行現場と証拠を押さえたのにもかかわらず,警察沙汰にするのを嫌って無罪放免にしたこともあった.(あとで加害者は「店員は友好的だった」とSNSに投稿した)
この態度が,回転寿司に対する食品テロを助長した.
このコンプライアンス欠如は,スシローだけではない.つい先日の犯行では,はま寿司とくら寿司が被害を受けたが,両社がどこまで被害者としてコンプライアンスを堅持する立場に立てるかは疑わしいのである.
事実,日テレNEWS《回転寿司“迷惑動画”がSNSで拡散……「他人のすしにわさび」「勝手に食べる」「レーンに戻す」 利用客も困惑「行かなくなる」》[掲載日 2023年1月27日 10:42] は次のように報道している.
《くら寿司は、寿司をレーンに戻す動画が拡散されたことを受けて警察に相談しました。さらに、レーンの上部に設置されたAIカメラを改修することになりました。客がカバーを開け閉めしたことを検知して、再発防止に努めるということです。》
くら寿司は対策として,客が皿をレーンに戻すことをAIカメラで検知するとし,客を監視することには踏み切らない.
評論家は「ブランドイメージが傷つけられた」と言うが,損害賠償請求しようにもブランドイメージ損害額の算定は非常に難しいし,窃盗や器物損壊で加害者が逮捕されても微罪すぎて不起訴処分になる可能性が高い.
だから客が何をしようと,他の客に被害がなければいいじゃないか,面倒くさいから悪質な客とのトラブルはナアナアで済ませたい,というおよび腰が見え見えである.
こんなことでは,大手の回転寿司は食品テロと戦う姿勢がないと言われても仕方ないであろう.
というわけで,回転寿司における食品テロのとばっちり被害を受けずに済むような私たちの防衛策は,大手の店を避けることである.
つまり長椅子が向かい合わせになっている半個室の席がなく,客は全員がカウンター席で横並びに腰かけ,飯時にはレーンに皿が廻ってはいるが,通常はカウンターの内側にいる店員が客の注文を受けて握るというシステムの店を利用すればよい.地方にいくと,むしろそういう店が旨いと評判よかったりする.こういう店なら,客のすぐ近くに店員がいるので,回転寿司テロをはたらくことができない.東京にも,もちろんそういう店はある.
店員に「マグロ二枚とハマチください」と注文して「あいよっ!」と威勢よく握ってもらう鮨のほうが,タブレットでオーダーするよりずっと人間的で気分がいいと私は思う.スシローやはま寿司くら寿司など,利益優先で,人件費が高くなってしまう接客を嫌う大型回転寿司は,飲食店としては邪道である.
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ウクライナに自由と光あれ
(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)
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