私の誤字センサー (7)
NHKに《ニッポン知らなかった選手権 実況中!》という番組がある.昨年放送された《第2回キーボード選手権 生字幕入力コンテスト》[初回放送日: 2022年8月30日] はおもしろかった.番宣テキストには《企業や業界団体が内輪で開催するスキルアップのための知られざる技術大会に大量のカメラを投入!!▽戦いの現場を勝手に高速実況!その超絶ワザのすごさと魅力に迫ります!》とある通り,私はプロの仕事に感心した.
選手権出場者は基本的に二人組で,それぞれの役割はチームによって異なり,例えば一人は打鍵に集中してもう一人は誤入力の訂正に専念する,といった具合である.
彼らの打鍵速度は尋常ではなく,生放送のテレビ音声より字幕が三秒遅れたらアウトだという.
そして,タイピング速度にも増して日本語の正確さが必要とされる.もしも字幕に誤字があったら放送事故だ.
アナウンサーなりMCなりが「先ほどの字幕に誤りがありました……」と視聴者に頭を下げて謝らなくてはいけない事態となるからだ.それだけに,《第2回キーボード選手権……》を観ているとプロの凄さがひしひしとテレビ画面から伝わってきた.
しかし,出場選手の中に一人,エンター・キーを押した時に出てくる同音異義の変換候補の中から正しいものを選べなかった人がいた.というか,その正しい言葉自体を知らなかったのである.(極端な喩えだが,「選手」と「先取」を取り違えるみたいな)
当然,このチームは敗退した.

上の《選手権》に比較すると,生放送でない場合のハードルはかなり低くなると思われる.
それなのに間違いが発生するのは,どうなっているのかと思う.
上のスクリーン・ショットは,テレビ朝日《世界動画ニュース》(1/14放送) のワンシーンで,男性がピアノの弾き語りをしている.
その歌詞“cause in a sky full of stars”に付けられた和訳が《満点の星空の中には》だった.w
じっとこの誤訳を見ていると「満点の星空」でもいいじゃないかと思えてくるから不思議だ.だって星がいっぱいの夜空って,全然減点なしの満点なんだもの.ww
美しい星空を見上げたときの感動はよくわかる.
この字幕を作った担当者は,きっと子供の時から「満天の星空」を「満点の星空」だと思い込んで生きてきたと思われる.よかったよかった.
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ウクライナに自由と光あれ
(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)
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