私の誤字センサー (5)
Pouch《コンビニのレトルトカレーが500円もする問題→ファミマ新商品「特製シーフードカレー」「本格チキンコルマカレー」は専門店に劣らない味で納得した》[掲載日 2022年12月11日] に,黒猫葵という女性ライターが阿呆なことを書いていた.(Pouch は株式会社ソシオコーポレーションが運営する若い女性を対象にした情報サイト)
《2022年12月6日より全国のファミリーマートで、ファミマルKITCHEN PREMIUM「特製シーフードカレー」「本格チキンコルマカレー」の2種類が発売中。
素材や製法にこだわったワンランク上のプレミアムなカレーなのですが、値段もかなりプレミアム。
1人前でお値段はおよそワンコインの税込438円ってコンビニでレトルトカレー買うにはちょっと迷うお値段じゃないのです。
逆に言うと、ワンコインで感動レベルの美味しさに出会えるってことなのかしら? カレーが食べたくなるこの季節、期待に胸を膨らまして購入してみたら、専門店顔負けの美味しさにびっくり仰天しちゃいました!
【電子レンジもしくは湯煎で温めます】
チルド商品のレトルトカレーはお惣菜などが陳列されている冷蔵ショーケース売り場にて発見しました。
パウチ裏面によると。電子レンジもしくは湯せんで温めることができます。》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
黒猫葵さんはPouch の自己紹介欄に自分は「お料理番長」で,《ネットの気になるレシピは片っ端から試してみたくなるタイプ》と書いている.
しかし,もしそうなら料理に詳しくてもいいはずなのに,黒猫葵さんは「レトルトカレー」がどんなものか知らないことを自分で世間にバラしてしまった.「料理番長」は嘘なのだった.

上のスクリーン・ショットは,黒猫葵さんが書いた記事の表題である.(あとで修正される可能性があるので,スクリーン・ショットを証拠に撮ってみた)
さてこの表題に書かれている《レトルトカレー》 (以下,レトルト・カレーと表記) は,レトルト食品と呼ばれる加工食品の一つである.
Wikipedia【レトルト食品】に次の説明がある.
《定義
日本では「レトルトパウチ食品品質表示基準」(平成12年12月19日農林水産省告示第1680号) によって、「レトルトパウチ食品」について「プラスチックフィルム若しくは金属はく又はこれらを多層に合わせたものを袋状その他の形に成形した容器(気密性及び遮光性を有するものに限る。)に調製した食品を詰め、熱溶融により密封し、加圧加熱殺菌したもの」と定義されている。》
この定義中の《加圧加熱殺菌》については,続いて次の説明がある.
《加圧加熱殺菌
原則として、容器内部の食品中央部において120℃で4分間、またはそれと同等の熱がかかる状態に加圧加熱して殺菌する (内容物によっては温度・時間は調整される) 。これにより、一般的な食中毒細菌の中で最も耐熱性の高いボツリヌス菌を殺菌できるとされる。ただし、より耐熱性の高い菌は存在するので、無菌となるわけではない。長期に保存すると食品の風味を損なうなどの経年劣化は完全には抑制できない。》
Wikipedia の上の説明が述べているように,確かに《120℃で4分間、またはそれと同等》以上の条件で殺菌しても,一般に「耐熱菌」と呼ばれる微生物は生き残る.
ところが幸いなことに耐熱菌は,私たちが生活している温度帯 (明確な定義はないが,日本工業規格では5℃~35℃を「常温」としている) では,耐熱菌は存在していても活動や増殖が非常に困難である.耐熱菌が活動するのに適した温度はもっと高いからである.
そのため,食品を気密性の高い容器に密封し《120℃で4分間、またはそれと同等》以上の条件で殺菌すると,無菌ではないが実際上は無菌として扱うことができる.これを「商業的無菌」という.
商業的無菌状態の食品は,常温で流通可能である.レトルト食品がコンビニやスーパーにおいて常温の棚に並べられているのは,そういう理由からである.
しかし残念なことに,このことを全く理解していない消費者がいるのだ.
その一人である黒猫葵さんは,ファミマに「特製シーフードカレー」と「本格チキンコルマカレー」を探しに行ったときのことを《チルド商品のレトルトカレーはお惣菜などが陳列されている冷蔵ショーケース売り場にて発見しました》と書いた.ところが,実はファミマの「特製シーフードカレー」と「本格チキンコルマカレー」はレトルト食品ではなく,冷蔵流通のチルド食品なのである.
これで判明したのは,黒猫葵さんは「チルド」も「レトルト」も区別していないということである.なぜなら《チルド商品のレトルトカレー》なんてものは存在しないからだ.
少数派であるが世の中には黒猫葵さんのような スットコドッコイな 人たちがいて,とにかくフィルム製の密封袋に包装されていれば,チルドのカレーでもチルドのビーフシチューでもチルドの中華丼の具でも,みんなレトルト食品だと思い込んでいる.
製造会社としては,こういう人々が食中毒を起こさぬようにパッケージのおもて面に「要冷蔵」と大きく印刷するのだが,黒猫葵さんのような スットコドッコイな 人たちは,「要冷蔵のレトルトカレー」のように脳内変換してしまう.
パッケージに「要冷蔵」と書いてあるから冷蔵庫に入れたのはいいが,こういう人たちは頭の中に「レトルトは賞味期限が長い」という思い込みがあるから,一ヶ月とか二ヶ月とか保存して腐敗させてしまうのだ.
長期保存したために中身が腐敗しても,腐敗で発生したガスでパッケージが異常に膨らんでいればさすがに食べないからセーフだが,腐敗が始まった程度だと食べてしまうことがある.ヘンな匂いがするなあ,などと思っても後の祭り.食中毒の発生である.
私は思うのであるが,チルド食品とレトルト食品の区別ができない黒猫葵さんのような スットコドッコイな 人たちのために,チルド食品のパッケージには,デザイン性を無視して大きく「これはチルド食品です。レトルト食品ではありません!」と印刷して欲しい.そうでないと黒猫葵さんのような スットコドッコイな 人たちの食中毒は防げない.かつて食品産業に籍を置いた食品衛生技術者としてそう思う.
さて,本題.
チルドとレトルトの区別を理解しようとしない人はすべてに大雑把で,もちろん文章も大雑把である
下のスクリーン・ショットは,黒猫葵さんがチルドのカレーを食べた感想の中にあった誤字だ.

誤字は文中の《無限ループにズブズブをハマっていく》の「を」である.
どうすれば「ズブズブとハマっていく」が《ズブズブをハマっていく》になるのだ.ローマ字入力でもかな入力でも,打鍵ミスで隣のキーを打ってしまったという理由では「と」は「を」にはならない.
これはもう,スットコドッコイな 黒猫葵さんの頭の中ではネジが一本外れていて,「ズブズブをハマる」という表現が定着しているとしか思えない.きっとそうだ.よかったよかった.
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ウクライナに自由と光あれ
(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)
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