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2022年12月10日 (土)

動物を捕まえて殺しまくる人々の会

 AFPBB《渋谷のKFC前でクリスマスチキン自粛呼び掛け 動物愛護団体》[掲載日 2022年12月9日 10:19] から下に引用する.
 
動物愛護団体「動物の倫理的扱いを求める人々の会 (PETA)」は8日、東京・渋谷にある米ファストフード大手ケンタッキーフライドチキン (KFC) の店舗前でサンタクロースに扮してデモを行い、「ヴィーガン (完全菜食主義者)」になってクリスマスにチキンを食べるのをやめようと通行人に呼び掛けた。
 プラカードには「すべての存在のために地球に平和を。ヴィーガンでいこう」と書かれていた。
 
 上の記事は「動物の倫理的扱いを求める人々の会」(略称PETA; People for the Ethical Treatment of Animals) による年末恒例の反KFCキャンペーンを報道したものである.
 同記事には写真が多いが,サンタクロースのコスプレをした同会のメンバーが街頭宣伝をしている様子を撮影したものだ.この会は,あらゆる動物の使役に反対すると主張しているが,トナカイを働かせているサンタは別のようだ.
 このAFPBB配信記事を転載した国内メディアは「動物の倫理的扱いを求める人々の会」を「動物愛護団体」としているが,困ったことである.実は彼らは,動物虐待団体なのである.
 
 私たちは,日本全国の動物愛護団体が,野犬や野良猫を保護し,あるいは保健所で殺処分を待っている犬猫を救い出し,飼い主を見つける活動をしていることを知っている.まことに心優しい人たちである.今はやっていないが,私は現役会社員だった頃,ある動物愛護団体に,活動の一助となればと定期的に活動資金や物資を寄付していた.
 そういう各地の,いわば草の根動物愛護団体と,巨額の資金と世界中に九百万人の会員および支持者を有する「動物の倫理的扱いを求める人々の会」は,動物に対する根本的な思想が異なる.同会は動物と人間の関係における,いわば過激派である.
 この組織の凶悪な実態が暴かれたのはかなり前のことであるが,日本での活動はあまり知られていない.海外での活動については,下の報道がある.
 
* Buzzap《世界最大の動物愛護団体「PETA」の実態、保護された動物の9割が安楽死》[2013年4月8日 17:29] は邦文記事.
* 英文の Mail Online《PETA killed nearly 2,000 shelter animals in 2013》[掲載日 2014年2月12日] から下に要旨箇所のスクリーン・ショットを引用する.Mail Online は知名度の高い英国大衆紙 Daily Mail のWeb 版である.
 
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 上の記事によれば「動物の倫理的扱いを求める人々の会」の米国 Virginia 州のシェルターに収容された動物のうち,2013年に2,000頭が彼ら PETA によって殺された.Norfolk (Virginia 州の都市) のシェルターでは82%が殺された.
 消費者自由センター (略称CCF: the Center for Consumer Freedom ; 消費者の選択の自由を保護するために協力するレストラン,食品会社,食肉産業および消費者の支援による非営利組織) は2008年に,バージニア州農業消費者局 (略称VDACS: Virginia Department of Agriculture and Consumer Services) に対して PETA を「屠殺場」に団体分類するよう求めた.
 その VDACS の2012年の調査によれば,PETA のシェルターでは90%超が殺された.また VDACS によれば,1998年から2012年までに31,190頭の動物が PETA によって殺されている.
 その他の報道された小さな事件も拾い上げていくと,PETA のメンバーが動物を薬殺する道具を携帯しているとか,殺した猫をゴミ箱に捨てたとか,耳を覆いたくなるような記事がウェブ上に見つかる.
 なぜ PETA は犬や猫を殺しまくるのか.「飢えや病気に苦しむ野犬や野良猫,あるいはシェルターに保護されはしたが引き取り手のない動物は,殺してやるのが彼らにとって幸せなのだ」という,私たち日本人には到底理解しがたい狂信的信念を PETA は持っているからである.殺処分の積極的肯定が PETA の思想だ.
 このブログ記事の冒頭に紹介した,渋谷のKFC店舗前で“Peace on earth for all. GO VEGAN  Peta”と書かれたプラカードを掲げる PETA 会員たちは,野犬や野良猫を捕獲してきてはシェルターに入れ,そして殺している.その行為のどこが Peace なのか.これほどの欺瞞を私は他には知らない.
 
(余談)
 私が中学生だった時,イタリアで発生した連続殺人事件が日本でもニュースになった.
 殺された被害者は,みな高齢で一人暮らしの貧しい男性たちだった.
 やがて警察当局は三人の老婆を殺人犯として逮捕した.
 彼女らは,身寄りのない爺さんたちを訪問しては殺していたのだが,逮捕後に供述した殺害理由が驚くべきものであった.
 彼女らはこう言った.「お爺さんたちが希望のない余生を過ごしているのなら,いっそ神様の御許に送ってやるのが正しいことだと思います」
 彼女らの歪んだ慈悲の信念は,PETA が動物を殺すのと似ている.
 この事件の資料をウェブ上に探したのだが,みつからなかった.猟奇犯罪史とか,そういった書物に載っているかも知れない.
 
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ウクライナに自由と光あれ
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(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)


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