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2022年11月 9日 (水)

悲しいオオカミ

 昔,動物行動学や進化生物学について多くの トンデモな エッセイを発表した竹内久美子さんが,週刊誌上でイヌの起源についての研究を紹介していた.
 竹内さん自身の見解ではないから信用してよいと思うが,オオカミの仔の中に,ある確率でヒトに警戒心を持たない個体が生まれるらしい.これは再現性があることから,遺伝的にプログラミングされていることだと思われる.
 太古,そのような仔オオカミは,ヒトの集団から離れずにいて,ヒトが移動したあとに残っている食べ残しを漁った.そしていつしかヒトの集団に入り込んで,異種でありながらヒトの群れの一員となったと想像される.これがイヌの起源だとされる.犬の飼い主には大いに納得できる説である.
 
 AFPBB News《オオカミにペイント弾 人への接近阻止へ オランダ》[掲載日 2022年11月7日 16:35] から引用する.
 
オランダ中央ヘルダーラント州は1日、「デ・ホーヘフェルウェ国立公園のオオカミ1匹がここ数週間、ハイキングや観光に訪れた人に近づく事態が発生している」と明らかにした。「おそらく若いオオカミだ。ペイント弾を使って、人間に慣れることを防ぎ、距離を取ることを学ばせる考えだ」としている。
……
 オランダではオオカミは保護対象となっており、脅したり狩りをしたりするには特別な許可が必要。ヘルダーラント当局は許可を取得済みで、近くペイント弾の使用に踏み切るとしている。
 オランダでは現在、オオカミの群れが四つと単独個体が11匹いると推定されている。
 
 デ・ホーヘフェルウェ国立公園の若いオオカミは,生きている「イヌの起源」に違いない.
 ペイント弾を使用して「人間と距離を取ることを学ばせる」のは,観光客の安全確保のためには仕方ない事とは思うが,弾を撃たれる痛みによって人間に拒否されたことを学ぶオオカミが不憫だ.
 
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ウクライナに自由と光あれ
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(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)


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