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2022年11月15日 (火)

前頭葉が委縮したパワハラ書記局長

 NHK《共産 小池書記局長をパワハラで警告処分》[掲載日 2022年11月14日 17:30] から引用する.朝日新聞などが簡単に伝えたのに比較して,必要充分な報道だと思う.
 
共産党は、小池書記局長が党の会議で田村政策委員長を厳しく叱責したことがパワーハラスメントにあたるとして、警告の処分にしました。
 共産党によりますと、今月5日に開かれた党の会議で、小池書記局長が地方議員の名前を間違って読み上げ、司会を務めていた田村政策委員長が訂正したところ、小池氏が田村氏に対し「間違えていない。訂正する必要はない」と強い口調で叱責したということです。
 小池氏は数日後に田村氏に謝罪しましたが、党の内外から「パワーハラスメントではないか」という声が寄せられ、14日開かれた党の常任幹部会で警告の処分が決定されました。
 小池氏は記者会見で「私の対応はパワーハラスメントそのもので、あってはならないことだった。二度と繰り返さないために深刻な反省と自己改革が必要だと肝に銘じている。警告は当然の処分であり、受け入れて全力で職務にあたっていきたい」と述べました。
 
 昔々,日本共産党には「無謬性神話」というものがあった.
 容貌からしてコワモテの宮本顕治中央委員会議長には一切の誤謬がないとして崇拝する傾向を,党外の知識人がそう呼んだ.
 宮本氏は党のトップでありながら国会議員ではなかった (党の代表は国会議員よりも上位にあるという組織論による) から,氏の言動は肉声ではなく活字でしか社会に伝えられなかった.宮本氏は無謬であるから絶対に党内で批判されてはならなかったし,国政選挙という国民の批判も受けてはならなかったのである.これがために宮本氏には暗く剛腕な権力者のイメージが付きまとった.
 しかしその宮本氏もやがて老いて,次の世代のリーダーとなった不破哲三氏が宮本氏を引退させた.
 党委員長となった不破氏は打って変わって明るくソフトな印象を国民に与えた.国会での論戦でも,知的で品があった.
 不破氏の後継者となった志位委員長もソフト (共産党内部でのことは国民には伺い知れないが/*註) 路線で,この二人によって共産党の好感度が高まったと思っていたら現れたのが小池書記局長だった.
 国会論戦中継を視聴した私は,小池氏の攻撃的で高圧的な姿勢に驚いた.「会社にもいるんだよなー,こういうタイプ」と思った.
 野党議員というものは与党を攻撃するのが仕事だが,攻撃的という点では蓮舫氏が最たるものだろう.しかし蓮舫氏は攻撃的だが無礼な人ではない.対して小池氏は,下品である.品がない.パワハラおやじみたいだなーと思っていたら案の定だった.
 
 上に引用した記事の《党の内外から「パワーハラスメントではないか」という声が寄せられ》に《党の内外》とあるのはなぜだろう,誰かがチクったのかと思ったら,小池氏が田村智子政策委員長を恫喝したのが「日本共産党地方議員・候補者会議」(11月5日) で,その動画が拡散したからであった.
 動画が拡散したのではもう隠しようがない.事が大きくなる前に小池氏を処分し,火消しを図ったほうがいいとの党指導部 (常任幹部会) の判断なのであろう.そして処分の顛末を小池氏自身がSNSで公表した.
 だがしかし,会社員ならびに元会社員の諸兄は既にご承知の通り,「一回だけのパワハラ」なんてものはないのである.
 パワハラは常習性のビョーキあるいは体質だからである.
 すなわち小池氏のパワハラは常態化していたと想像するのが自然である.
 警告処分の公表後の記者会見で小池氏は,田村氏に謝罪したと述べ,《私の対応はパワーハラスメントそのもので、あってはならないことだった。二度と繰り返さないために深刻な反省と自己改革が必要だと肝に銘じている。警告は当然の処分であり、受け入れて全力で職務にあたっていきたい》と語ったが,《深刻な反省と自己改革》なんぞで小池氏のパワハラ体質は変わらない.
 常任幹部会が,小池氏の処分を降格ではなく警告にとどめたことは,今後も小池氏はパワハラを,国民にバレないように党内で続けていくということを意味する.パワハラとは優越的な関係を背景とした言動である (厚労省による定義の一部) が,小池氏が中央委員会書記局長である限り,他の国会議員や党員に対する優越的地位はなくならないからである.
 
 NHKの記事では省かれているが,小池氏は記者会見で田村氏に対するパワハラは《私自身の品性の上での弱点があらわれたものだと自己総括している》と述べた.またその《弱点》については《直ちに強く反応してしまうような、よく考慮せずに、相手に対するリスペクトというか、そういった態度に問題があったのではないか、欠落しているのではないか》と述べた.
 この小池氏の自己分析の通り,まさに問題は氏が「よく考慮せずに直ちに強く反応してしまう」ことである.
 その短絡的反応の原因は何か.
 医学的知見によれば,小池氏が「よく考慮せずに直ちに強く反応してしまう」のは大脳の前頭葉の働きが弱いことを意味している.人間は加齢に従って前頭葉が萎縮し,六十代になると本格的に萎縮が始まり,感情の抑制ができなくなる.(→東洋経済ONLINE《和田秀樹「60代以降に衰える人・衰えない人の差」 急に怒り出す人が増えるのは前頭葉萎縮が原因》[掲載日 2022年10月17日 14:00] を参照)
 小池氏は六十二歳である.おそらく氏の前頭葉は萎縮が始まっていて,氏は「よく考慮せずに直ちに強く反応」する,いわゆる「キレる高齢者」の一人である.
 小池氏のように優越的地位にある者が感情を抑制できないとパワハラになる.会議で小池氏が田村氏を恫喝したシーンは,まさにそれである.
 従って小池氏のパワハラは,前頭葉萎縮の進行に伴って激しくなると予想される.
 その事態を回避するには,自己批判なんぞ何の役にも立たない.前頭葉の機能低下を防ぐ訓練が必要だ.
 すなわち日本共産党は,科学的社会主義を標榜するのであれば,小池氏に対して単なる懲戒的警告を行うのではなく,科学的に前頭葉の訓練を指示すべきであった.
 ともあれ,日本共産党は内部でパワハラが行われている政党であることが国民に知られてしまった.問題の張本人は小池氏であるが,田村氏にも大きな問題がある.それは,小池氏の恫喝に容易に屈して「すみません」と謝ったことである.
 これで田村氏は今後,パワハラの被害者に対して何も言えなくなった.権力者に容易に屈服する者は,日本社会に横行するパワハラと戦う資格がないのである.
 
 私は昭和四十七年 (1972年) に植物油製造業のH社に入社したが,昭和六十二年 (1987年) 当時に専務だった嶋雅二という男が謀った企業犯罪 (業務上傷害および食品衛生法違反) の実行を命ぜられ,これを拒否したために怒りを買い,昭和六十四年 (1989年) に嶋が社長になった途端,陰湿なパワハラを受けるようになった.
 H社はその後,平成十四年 (2002年) に同業のA社と経営統合し,嶋は初代社長に就いたが,A社出身の経営陣がいる手前,私にパワハラをするわけにもいかず,ここにようやく私は,十三年間にわたるパワハラから解放された.
 その間,嶋は時折私を社長室に呼び出し,退職届をだせと恫喝した.しかし私は,クビにするならしてみろ,警察と厚労省に訴えて出るぞと抵抗した.
 思えば十三年間は長かった.よくまあメンタルをやられなかったと思うが,パワハラに屈してなるものかという意地を私は貫いた.
 本題に戻ると,田村政策委員長は,居並ぶ党員たちの眼前で,小池書記局長の恫喝に屈した.屈服しなければ党を除名されるという恐怖を覚えたのかも知れないが,しかし小池氏の恫喝に対し,自分の正しさを捨てて「すみません」と謝ったことは,彼女の輝かしい業績を一瞬で木っ端みじんにした.彼女が失った党員からの信頼を回復するのは容易ではあるまい.権力に抵抗しない共産党員には何の価値もないからである.
 
(*註) 日本共産党の規約に「党の内部問題は党内で解決する」と決められており,党員が党内のことを外部にリークすれば規約違反となる.
 
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ウクライナに自由と光あれ
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(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)


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