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2022年11月 8日 (火)

潔くない人

 産経新聞《「マスク外し敗戦」佐藤天彦九段の不服申立書、将棋連盟が受理》[掲載日 2022年11月2日 17:17] から下に引用する.
 
将棋の対局中、マスクを外した臨時対局規定違反で反則負けとなった佐藤天彦九段(34)が日本将棋連盟常務会に対し、「反則負け判定の取り消し」などを求めて不服申立書を提出した問題で、同常務会は2日、不服申立書を受理した。
……
 申立書では、マスクを外した事実を認め、「深く反省する。しかし、故意でなく、盤面に集中することによる過失」と説明。反則負けの根拠となった規定に関し、「故意だけでなく、過失による違反も含むか明文化されていない」と指摘した。対局のやり直しや規定の適用基準の明確化なども求めている。》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
 
 一昨日 (11/6) 放送のフジテレビ《ワイドナショー》を観ていたら,佐藤九段がマスクを外す場面を放送した.
 それは,どう見ても《故意でなく、盤面に集中することによる過失》には見えなかった.
 盤面を見つつ,イライラとした感じでマスクの片側のかけ紐を外したのである.
 例えば佐藤九段が小用に立ち,その時にマスクを外していたのだが,帰ってきた時にマスクを外していたのを忘れてそのまま対局に戻った,というなら過失だろう.
 だが事実は違う.佐藤九段は盤を前にして指し手を考慮中に「ええいっマスクがじゃまだ!」と言わんばかりに,乱暴に意識的にマスクを外したのが事実だ.
 対戦相手の永瀬拓矢王座にしてみれば,佐藤九段の振る舞いは傍若無人で,非常に不愉快なことだったろう.
 この「事件」のあと,反マスク派の有名人たちが佐藤九段を支持するコメントを発し,それだけならともかく,永瀬王座がまるで卑怯者ででもあるかのような批判をしたのは卑劣である.
 もし本当に佐藤九段が過失でマスクを着け忘れたのなら,永瀬王座はすぐにそれを指摘したと私は思う.しかし佐藤九段の対局態度は,盤外作戦と誤解されてもしかたのないものだった.身から出た錆なのに,大ごとになってからぐちゃぐちゃとクレームとは,まことに見苦しいことである.
 そもそも,マスク着用ルールが決められたときに佐藤九段は,何ら異議を述べていない.
 諸兄既にご承知のように,大切なことが決められる時に何も言わず,自分に不利益が生じたとたんに後出しで文句を言い始める者が一般社会にもいる.自分の意見を述べれば責任が生じるが,責任は取りたくないので何も言わず,不利益を拒否する権利は恥ずかしげもなく主張する.この種の振る舞いは,人望を失くすのである.
 将棋指しは強けりゃいいんだという人もいるだろうが,何事にも品格というものがある.棋士は羽生善治九段や,若い藤井聡太竜王のようにありたいものだ.
 
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ウクライナに自由と光あれ
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(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)


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