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2022年11月28日 (月)

新幹線をうな重に喩えてどうする

 Merkmal《中国に負けた日本の鉄道 同国受注「インドネシア高速鉄道」試運転成功に見る、痛々しいまでの昭和的反応》[掲載日 2022年11月27日 7:11] から下に引用する.
 
そして、それに勝つべく新たな戦略が全く生まれてこない。壊れたテープレコーダーの如く、安心・安全・高品質と繰り返すだけ。結果、中国に負けたのである。中国側は政府による債務保証を求めず、それから何より高速鉄道の技術移転をインドネシア側に認めたのだ。日本には絶対にできない提案をしてきた。同額か、より高くとも中国案の方が魅力的に映るのも無理はない。
 そもそも、国家プロジェクトにも組み込まれず、時期尚早としてインドネシア側が全く乗り気でないなかで、日本はかたくなに新幹線を押し売りしていた。客は“穴子ちらし”を食べたいのに“うな重”を売りつけていたも同然だ。そこに突如、“ジャワうなぎ”を扱う業者Xが現れて、そちらが売れてしまった。そして、困ったことに思考停止したうなぎ屋の頑固オヤジは、うな重がどうして売れなかったのか、いまだに気づいていない。その間に、業者Xはどんどん売り上げを拡大していく。
 もはやコペルニクス的転回なしに、このうなぎ屋の生き残る術はない。安直な中国、インドネシア批判はそういった危険性をはらんでいるのである。
 
 上に引用した記事の筆者は高木聡 (自称「アジアン鉄道ライター」) である.掲載サイトの Merkmal は同メディアに書かれている自己紹介によれば《交通・運輸・モビリティ産業で働く人やこの業界へ進出したい人が、明日に役立つ気づきを得られるニュースサイト》である.
 上の記事は,インドネシアと中国が建設中のジャカルタ~バンドン間を結ぶ「インドネシア高速鉄道」に関する評論である.
 同高速鉄道については Wikipedia【インドネシアジャワ島の高速鉄道計画】に解説がある.その冒頭だけ転記引用すると以下の通り.
 
インドネシア高速鉄道計画(インドネシアこうそくてつどうけいかく)は、2015年7月にインドネシア政府が発表した高速鉄道計画。首都ジャカルタと西ジャワ州バンドン間150 kmを結ぶ計画で、将来的にインドネシア第二の都市である東ジャワ州スラバヤへの延伸が計画されている。東南アジアにおいて最初に開通する高速鉄道となる予定である。
 日本および中国が高速鉄道システムの売り込みを行い、入札を競った。インドネシア政府は2015年9月3日、高速鉄道計画の撤回を発表し、入札を白紙化したが、直後の9月29日、財政負担を伴わない中国案の採用を決定した。
 
 インドネシア高速鉄道計画の入札においては,日本が受注すると期待されていたのだが,結局は中国が落札した.
 高木氏によると,中国が落札したことに関して日本国内で「中国の高速鉄道は安全でない」との論調があり,また日本のネット上ではいわゆるネトウヨによる「日本が最高」という大合唱が起きたとのことである.
 私の鉄道知識は非常に貧弱なので,高木氏の見解の正否は判断できない.
 だが,なるほどねーと最後まで読み進めてみたが,評論記事の末尾の文章が納得できない.
 高木氏は文中になんの伏線も書かずにおいて最後で唐突に《客は“穴子ちらし”を食べたいのに“うな重”を売りつけていたも同然》と述べて,インドネシア高速鉄道に応札した日本の案を「うな重」に,インドネシア側のニーズを「穴子ちらし」に喩えて記事を結んでいる.
 なんだそりゃ.
 そういう意味不明な比喩を書かなくても評論として成立しているし,むしろ書かない方が文章としてわかりやすい.
 高木氏の評論記事を掲載した Merkmal が《交通・運輸・モビリティ産業で働く人やこの業界へ進出したい人が、明日に役立つ気づきを得られるニュースサイト》であるなら,高木氏は言いたいことをビジネス用語で表現すべきである.例えば「売る側の論理」とか「ニーズとのミスマッチ」とか,色んなわかりやすい言葉があるだろうに,なにが悲しうて「うな重」「穴子ちらし」なのか.
 高木氏はうな重とか穴子ちらしが好物なのかも知れぬが,そんなことは読者にはどうでもよい.腑に落ちぬ記事である.
 
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ウクライナに自由と光あれ
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(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)


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