飼育費用が欲しくて犬を飼う元大統領 /工事中
私がまだ若かった頃,三井物産が企画した調査ツアーに参加したことがある.およそ四十年も前のことだ.
上海をスタートして南下し,中国やベトナム,タイなどアジアの食材を調査するという趣旨で,アゴアシ付きの招待旅行だった.
中国各地の市内 観光 調査には中国人の現地ガイドがついたが,そのガイド氏が「日本と違って中国の都市には野良犬も野良猫もいません」と胸を張った.
もちろんこれは「犬や猫がそこら辺をうろついていたらすぐ捕まって食べられてしまうから」という自虐ネタなのだが,実際に上海でも他の都市でも,犬猫はおろか,空を飛ぶ鳥すらもみかけなかった.
その代わり,街のあちこちにある食材市場に行くと,色んな野生生物を売っていた.
たぶん牛などの大型の畜肉家畜は流通ルートが異なると思われ,私が上海の大きな食材市場で見たのは,イヌやハクビシンなどの哺乳類,鶏や野鳥類だった.コウモリやサソリも生きたまま売られていた.
その時の正直な感想は,イヌは食いたくないなあ,ということだった.
日本でも昔はイヌを食べる習慣があったことは承知している.しかしおそらく江戸時代に,食犬の習慣は地下に潜った.私たちの生活の中での犬は猟犬,番犬,愛玩犬であり,食べ物ではなくなったのである.
だが私が幼少の昭和三十年代でも,密かに犬を食べる人々はいた.彼らは「犬の中では赤犬がうまい」などと密かに言っていたらしいが,周囲の大人たちは,彼らを大っぴらに非難するのではなくこちらも密かに,彼らを野蛮だと言っていた.犬を食べる人たちにとっても,その習慣を非難する人たちにも,食犬はタブーだったのだ.
話は少し逸れる.近代以前に日本では犬を食べるのはタブーになったが,牛や豚や鶏を殺して食肉に加工して焼いて食うのと,犬を屠殺して同様に食うのと,どこが違うんだと問い詰められれば,理屈で答えるのは不可能だ.もうただ単に犬は食いたくないからとしか言いようがない.
希にテレビで,鯨肉愛好家を取り上げることがある.彼らは鯨肉の旨さを熱弁し,捕鯨は日本の誇るべき食文化だと力説する.また鯨を食うのは日本人だけではないとも言う.さらには,商業捕鯨をして鯨の数を減らさないと海の生態系が破壊されるとまで言い切る.
でも,いくらアレコレ言われても,私は鯨肉は食いたくない.大学に入った昭和四十三年の秋に新宿駅西口の思い出横丁で鯨カツ定食を食って以来,鯨肉を口にしていない.大学生時代の四年間,私は貧乏だったので,肉はほとんど食べなかった.
昭和四十七年に会社に就職して静岡県清水市 (現静岡市清水区) に引っ越したら,地元の人たちがしきりに「イルカは旨い」と言うので食べてみたが,嘘だった.それ以後,イルカ肉は食べていない.
和歌山県と,静岡県の東半分,および東北地方の一部にはイルカを食う習慣がある.静岡県にはもっと旨い食い物がたくさんあるのに,静岡県人はイルカ料理を郷土料理として自慢する.他県人に,食ってみろと無理強いすることすらある.他県人には理解しがたい不思議な食習慣だ.
馬肉もイルカ肉と同じで,昔々馬肉の刺身を食ったことがあるが,どうしてもまた食いたいという気持ちにはならない.
閑話休題.人間は動物性タンパク質を摂取しないと栄養的に少々問題がある (肉食は不可欠ではない) ので,肉を食べるのはいいが,産業生産されている牛肉,豚肉,鶏肉,および害獣の肉
オトナンサー《「飼育放棄」、コロナ収束後に増加の懸念…ペットを「一生大事にする覚悟」、どう身に付ける?》[掲載日 2022年11月8日 08:10]
《また、転居や家族の増減といった人間側の条件にも柔軟に対応できるかも考えておく必要があります。何より、終生、迎え入れた動物への愛情を注ぐこと、その情熱を維持していれば、必ずその気持ちは相手の動物にも伝わるものと確信しています」》
時事通信《正恩氏贈呈の犬、引き渡し=飼育費もらえず政府に―韓国前大統領》[掲載日 2022年11月8日 21:12]
《文氏は2018年9月に平壌で行われた南北首脳会談の際、北朝鮮の天然記念物に指定されているつがいの「豊山犬」を贈呈された。しかし、韓国紙・朝鮮日報などによると、文氏側が今月5日に返還を申し出た。歴代大統領の文書や所蔵品などを管理する大統領記録館が、犬の飼育費の提供を約束していたが、尹錫悦政権内で異論があり、支出されていないためだという。飼育費は月最大250万ウォン(約26万円)と見積もられていた。》
文元大統領は,自分が在職中に,つがいの犬の飼育費を日本円で26万円とすることにした.
年額にすると312万円だ.あと十年飼育すると総額三千万円を文元大統領は手にすることになる.異常なまでの強欲である.
元大統領の異常性は,そのあとだ.現政権が,文の強欲に呆れて高額飼育費を支出しないと見るや,豊山犬はもう飼わないと言ったのである
文にとって,つがいの豊山犬は愛犬ではない.ただの金づるなのである.
毎日新聞《韓国前大統領 南北首脳会談で贈られた犬「もう飼うつもりはない」》[掲載日 2022年11月7日 19:17]
《保守系の韓国紙・朝鮮日報は7日、進歩系の文在寅(ムンジェイン)前大統領が、2018年9月の南北首脳会談で北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)国務委員長からプレゼントされた豊山(プンサン)犬を「もう私邸で飼うつもりはない」と韓国政府に伝えたと報じた。
……
文氏は今年5月の退任直前、月最大250万ウォン(26万円)の「犬管理費」を受け取れるように調整。しかし、保守系の尹錫悦(ユンソンニョル)政権内で「自らの意思で飼うと言っているのに国の予算による支援がなぜ必要なのか」「文氏は猫など他の動物も育てていて、予算が転用されないとは証明できない」などの否定的な意見が出たため、犬管理費は予算執行されていないという。》
TBS NEWS DIG《金正恩総書記が贈った“豊山犬” 文前大統領が韓国政府に返還の意向》[掲載日 2022年11月7日 21:54]
《韓国メディアによりますと、韓国では大統領が在任期間中に贈られたものは動物であっても「大統領記録物」に分類され、国が所有することになりますが、文前大統領は政府と協約を結び、退任後も2匹を預かっていました。
こうしたなか、文前大統領の秘書室はきょう、文前大統領が2匹の豊山犬を韓国政府の大統領記録館に返還する意向だと明らかにしました。
秘書室は「豊山犬を預かる根拠となる規定を政府がつくろうとしていたのに、大統領府が反対した」としたうえで、「現政権側の悪意にあきれる」と批判。
対する大統領府は「犬の返還は文前大統領側の判断に過ぎない」と反論しています。》
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