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2022年10月24日 (月)

円安のために起きる値上げ /工事中

 経済評論家の加谷珪一氏がテレビ朝日《中居正広のキャスターな会》に出演して,現在の円安は150円/ドルに留まらないだろうとの見通しを述べた.おそらく年内に160円/ドルまでいくのではないか,というのが加谷氏などの識者のコンセンサスのようだ.
 加谷氏は番組の中で,先月あたりまでの値上げラッシュは主にロシアによるウクライナ侵攻の影響だったが,この秋からは円安を原因とする値上げラッシュがこれに上乗せされると述べた.
 これは少し説明が必要だ.
 三月上旬までは115円/ドルで推移していた相場が,その後は130円突破,140円突破,という具合に進行した.これと歩調を合わせて物価が上昇した.値上げを発表したメーカーが値上げ理由として挙げたのは,原材料費,エネルギー価格,物流費の上昇であった.
 
 これらのコストアップは世界的に起きた現象であるが,各国の事情によってコストアップの影響の多寡は異なる.例えば物流費は,同じ運送方法であれば運搬距離が増大すると費用が増える.具体的に言うと,北太西洋で獲れる魚は,ドイツやフランスに運ぶよりも日本に運ぶほうが物寮費が高くなる.
 また物流費は,輸送される物資の量あるいは単位体積あたりの重量によって影響される.例えば新型コロナウイルス用のワクチン.これは単位重量あたりの価格が非常に高い (付加価値が高い) ので,末端販売価格に占める物流費の割合は微々たるものである.
 しかし穀物のように単価が低いものでは,物流費がコスト的に大きく,末端販売価格に大きな影響を与える.
 
 原材料費では,ロシアのウクライナ侵略によって,ウクライナ産小麦の収穫と輸出作業が滞ったことが日本の食糧品価格に大きく影響した.これはしかし,元々小麦の生産国である国には大きな影響はなかったが,日本は小麦のほとんどを輸入に頼っているから,「プーチンの戦争」の被害は甚大だった.

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