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2022年10月 3日 (月)

プーチンは核兵器を使うか

 今朝の《飯田浩司のOK! Cozy up!》を視聴した.月曜日は須田慎一郎氏の時事解説の日だ.
 須田氏はロシアの現状について,プーチンは対ウクライナ戦争の強硬派 (チェチェン共和国のカディロフ首長や,ロシア民間軍事会社ワグネル・グループなど) に突き上げられているとし,戦術核兵器を使用する可能性が高まっていると述べた.
 ロシアが,ロシアに併合したと主張している地域で戦術核兵器を使うわけにはいかないから,現在ウクライナが制圧しているところに投下することになるが,それにはデメリットもある.すなわち放射能汚染された土地は農業が不可能になるし人も住めない.ということはこれからロシアが占領する意味がなくなるということだ.
 このようにあれやこれやのメリット/デメリットを勘案してプーチンは核兵器の使用を決断するだろうが,ソ連時代にチェルノブイリ原子力発電所事故を起こしているロシアは,むしろ核兵器使用のハードルが低くなってしまっている,というのが須田氏の見解だ.馬鹿とプーチンにつける薬はないと本当に思う.
 この須田氏の意見に対して飯田浩司アナは,デメリットの一つとして「核兵器を使用したら,もうロシアを支持する国は世界に一つもなくなるでしょうし…」と述べた.
 だが,果たしてそうだろうか.
 国連加盟のアフリカ諸国はロシアと関係が深い.国連総会でロシア非難決議を採択しても,アフリカ諸国の半数は賛成しない.
 それらの国は政府が,内政上の必要からロシアの軍事援助に頼っているからである.(参考;東京外国語大学現代アフリカ地域研究センター「ロシアのウクライナ侵攻とアフリカ」[2022年3月6日掲載]など)
 ロシアが戦術核兵器 (威力は日本が被爆した原爆程度) をウクライナに投下した場合,これまで対ロ制裁に消極的だった仏独両国も他の米英およびEU諸国と完全に歩調を合わせるだろう.その点では西側諸国の結束は現在よりも高くなると思われる.
 しかし親ロシアのアフリカ諸国は,核兵器の使用をそれほど深刻に感じないのではないか.彼らは,ウクライナ国民が生きようと死のうと知ったことではない.そんなことより反政府勢力を制圧するためにロシアの武器援助とワグネル・グループの戦争支援が欲しい.明日の理想よりも今日食うメシが大事なのだ.
 従って,飯田アナの楽観論「ロシアは国際的な支持を失う」は現実的でないと思われる.
 そのような状況下,「核兵器を使用してもロシアは国際的に孤立しない」前提で,軍事的なメリットがあるとプーチンが判断すれば,戦術核兵器を使う可能性はあるだろう.
 ウクライナを支持する米欧諸国としては,現状では国連の場でロシアを孤立させることは無理だが,しかし軍事的なデメリットが大きいとプーチンに判断させれば,核兵器の使用を断念させることはできる.
 最近,そのことに関する発言をポーランドのズビグニェフ・ラウ外相が行ったと,ジャーナリストの木村太郎氏が述べている.(FNNプライムオンライン《「核使用すれば黒海艦隊を殲滅」とロシアに警告…プーチン大統領に「二の足」を踏ませるか?》[掲載日 2022年10月3日 11:51])
 木村氏によれば,彼の推測に過ぎないとはいえるが,ロシアが核兵器を使用すれば,ウクライナはロシア黒海艦隊を殲滅することが考えられるという.もちろん「ウクライナは」は修辞である.黒海艦隊殲滅に必要な兵器と戦闘技術は米国が供給するのだ.
 だとするとプーチンは,ウクライナのどこかに戦術核兵器を投下して得られるメリットと,黒海艦隊を失うデメリットを秤にかけて,判断することになる.
 これに関して,ネット上のデマかも知れないが,ロシアの核弾頭ミサイルが既にウクライナ方面に移動したとの情報が流れている.
 プーチンは核兵器を使用するか.それは現在ロシアを支持している多くのアフリカ諸国が,プーチンに「たとえ核兵器を使用しても,ロシアを支持する」と伝えているか否かにかかっている.
 
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ウクライナに自由と光あれ
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(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)


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