« 私の誤字センサー | トップページ | 我が人生は悔いだらけ /工事中 »

2022年9月 7日 (水)

鉄の女のファッション

 英国保守党の党首選挙でリズ・トラス外相が党首に選出され,英国で三人目の女性首相が誕生した.
 デイリー新潮《鉄の女2.0「トラス英国新首相」を待ち受ける難題 このままでは大規模な暴動が起きる》[掲載日 2022年9月6日] から引用する.
 
英国では「強い意志を持つ」女性のことを「鉄」にたとえることから、英国初の女性首相で強いリーダーシップを発揮したマーガレット・サッチャー氏は「鉄の女」と呼ばれた。スポットライトを浴びるようになったトラス氏は、政治姿勢や服装などがサッチャー氏に似ていることから、メデイアは「鉄の女2.0」と呼ぶようになっている。
 
 私はトラス氏の容姿を,NHKの海外報道番組で何度か見ただけなので《政治姿勢や服装などがサッチャー氏に似ている》と書かれていても「そうなの?」と思った.
 多くの人は,サッチャー氏には,きちっとしたスーツに上品な女性らしいブラウスを合わせた服装のイメージを持っていると思う.
 それはエリザベス女王に似た服装センスだった.
 しかし上記のデイリー新潮の記事に掲載されているトラス新首相の上半身写真は上着の胸元が開いていて,これがサッチャー氏と似た服装と言われると違和感を覚える.
 Newsweek日本版《史上3人目の英女性首相、見当違いの「減税策」が招くインフレと債務のブラックホール》[掲載日 2022年9月6日 18:07] の記事冒頭の写真も,トラス氏の服は胸が開いている.色味が異なるが,デイリー新潮に載っている写真の服と同じデザインなので同じ服かも知れない.前者は保守党の会合で選挙勝利演説している時の写真だが,後者は新首相に選出されて執務室で撮影に応じた時のものだ.想像するにこの服 (ワンピースだろう/東京新聞に画像がある) はトラス氏のお気に入りの一着なのだろう.
 このワンピースがトラス氏の好む服装だとすると,トラス氏の服装センスはサッチャー氏のそれとは異なると私には思われる.そこでサッチャー氏の服装について検索してみたら,次の記事が見つかった.
 MODE PRESS《鉄の女、マーガレット・サッチャー元英首相とファッション》[掲載日 2013年5月24日 14:15]
 この資料から下に引用する.
 
サッチャー氏のスタイルは、彼女の政治手法の進化も表している。1970年代、2人の子供の母であるサッチャー氏は女性有権者らが着ていたカラフルなドレスを好んでいた。その“主婦ルック”を取り入れることで、家計のやりくりに苦労する主婦らの共感を得て、票を獲得しようとしていたのだ。
 しかし、初めてダウニング街10番地(首相が住む官邸)に入った1979年5月4日、そのスタイルはブルーのスカートスーツに一変した。保守党の色であるウルトラマリンブルーのテーラードジャケットにしっかりとプリーツの入ったスカート、白×青のパターンシャツをあわせたスタイルは、国会で欧州統合への反対を述べた有名な「ノーノーノー」演説の時を含め、繰り返し何度も着用された。
……
 しかし、サッチャー氏は堅実かつ実用的な人物でもあった。彼女は1984年のテレビのインタビューで「私は2種類の格好しかしていません」と言い、その一つについて「一着のクラシックなスーツと多種多様なブラウスの組み合わせ」だと説明した。
……
 サッチャー氏のスタイルにおいて、1980年代に流行し、ダイアナ元妃にも好まれたプッシーボウのブラウスは女性らしさを与える役割を果たした。》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
 
 上に引用した記事には,私が思っていたサッチャー氏の服装イメージ (以下の 1. 2.) 通りのことが書かれている.
1. サッチャー氏はクラシックなスーツを好んだ (スーツはウルトラマリンブルーのテーラードジャケットにプリーツスカートの上下がよく知られている).
2. スーツ着用時に氏が特に好んだインナーは,プッシーボウのブラウスであった.プッシーボウはボウタイのことである.
 
 サッチャー氏の普段着は知る由もないが,私たちが海外ニュースで見たのは,英国議会や国際会議に出席した際の服装だから,MODE PRESS 誌の記事にあるように《テーラードジャケットにしっかりとプリーツの入ったスカート》がサッチャー・スタイルであったと思う.
 トラス氏を鉄の女2.0と英国メディアが呼んでいるのは,サッチャー氏の政治家としての姿勢に対する郷愁があるのではないか.
 行動のあちこちが杜撰だったジョンソン前首相への反動である.
 トラス新首相がこれから,フィンランドのサンナ・マリン首相のような新時代のリーダーに自らを寄せて行くか,あるいは鉄の女の再来を目指すかは,トラス氏の服装を注視するとわかりやすいだろう.男性政治家は,政治家としてのスタイルを服装で表現することがないのと対照的である.
 
 ところで,女性服のインナーは大別すると (a) シャツ,(b) ブラウス,(c) カットソー,の三種類だが,日本ではコロナ禍始まった頃から,(a) タイプではバンドカラーまたは襟なし丸首,(b) タイプではプッシーボウのブラウスが流行している.鉄の女サッチャーが好んだプッシーボウのブラウスはダイアナ妃のお気に入りでもあったわけで,これが現在の日本で流行していることと社会状況との絡みを解説してくれる服飾評論家はいないものかと思っている.
 
*********************************************
ウクライナに自由と光あれ
Pics2693_20220307154501
(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)


|

« 私の誤字センサー | トップページ | 我が人生は悔いだらけ /工事中 »

新・雑事雑感」カテゴリの記事