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2022年8月16日 (火)

自分が全く知らないことは書かないほうがよい

 スポーツニッポン《ひろゆき氏「それって国税庁がやる仕事?」若者への日本産酒類の販売キャンペーンを疑問視》[掲載日 2022年8月15日 16:22] から下に引用する.このツイートの趣旨は二つある.一つは日本酒の一合瓶入りは「きちんとした日本酒ではない」「おいしくない」という批判.もう一つは「日本酒の販売促進は国税庁の仕事ではない」という批判である.
 
実業家の「ひろゆき」こと西村博之氏(45)が15日に自身のツイッターを更新し、国税庁の日本産酒類の促進キャンペーンに疑問を投げかけた。
 国税庁は、若者を対象に日本産酒類の需要喚起に向けたコンテスト「サケビバ!」を開催することを発表。コロナ禍でお酒を飲まない人が増えたことなどについて、どうアプローチをするかを募るという。
 ひろゆき氏は、この件について「きちんとした日本酒が缶ビールの量で売ってない。一升瓶を一人で飲み切るのはきつい。大家族の時代は終わったので、個人向けで様々な日本酒が楽しめるようにしたほうが良いかと。カップ酒はおいしくないのが多いし、、、」と持論を展開しながら、
 
 毎日飲酒し,一升瓶を数日であけてしまう日本酒のヘビー・ユーザー (イメージは星一徹だ) は,もはや絶滅危惧種である.
 大抵の人は四合瓶入りを好む.私もそうだ.四合入りなら二日かけて飲むことができる.開栓すると急激に風味が劣化する日本酒は,ワインよりは時間的に余裕がある (ワインはその場で飲み切りにするのが基本) が,冷蔵庫に入れても一両日で飲み切るのがよい.
 だから現在,というかかなり昔から,酒販店に行けば一目瞭然だが,日本酒業界の主戦場は四合瓶 (720mL) だ.
 また,これなら価格帯的にワインと競争できる,というのも一つの理由だ.
一升瓶を一人で飲み切るのはきつい》と書いている時点で,ひろゆき氏は現在の日本酒のマーケットがどうなっているか,全く調べずに書いていることが明らかだ.そんな消費者は,おっさんでも若者でもいないよ.
 それと,最近はライト・ユーザー向けに一合瓶入り (180mLカップ入りも同じことだ) が入手しやすくなった.
「菊水」「上善如水」「八海山」「高清水」なんかは,私が青年時代から定評のある「きちんとした日本酒」である.これらの老舗酒蔵に対して《きちんとした日本酒》ではないとか《おいしくない》と断言するのは,失礼が過ぎると私は思う.
 
「ただ、日本酒の販売促進って国税庁がやる仕事?」と疑問を投げかけた。
 
 国税庁は財務省の外局である.
 その財務省の遂行すべき仕事を定めた財務省設置法に次の条文がある.
 
第十九条 国税庁は、内国税の適正かつ公平な賦課及び徴収の実現、酒類業の健全な発達及び税理士業務の適正な運営の確保を図ることを任務とする。》(引用した条文中の文字の着色は当ブログの筆者が行った)
 
酒類業の健全な発達》とは何か.これについては国税庁が出版した「国税庁レポート2021」に次の解説が書かれている.
 
(4)酒税行政の適正な運営
 酒類業の事業所管官庁として、酒税の保全と酒類業の健全な発達を図るため、関係省庁・機関等と連携・協調しつつ、消費者や酒類産業全体を展望した総合的な視点から、適切な法執行の確保と酒類業の振興の強化(特に輸出促進)に取り組みます。》(引用した条文中の文字の着色は当ブログの筆者が行った)
 
 すなわち,《日本酒の販売促進》は,財務省設置法に基づく行政行為なのである.
 従って《日本酒の販売促進って国税庁がやる仕事?》は不当な言いがかりであり,正しくは「そもそも財務省設置法第十九条は違憲である」と主張することから始めねばならない.
 ひろゆき氏のSNS投稿には,この種の法的無知に基づくものが散見される.
 フランス在住だから日本の税制の詳細は知らなくても構わないが,《日本酒の販売促進って国税庁がやる仕事?》と言うなら,国税庁の基本的業務について調べてからそう書くべきである.
 
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ウクライナに自由と光あれ
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(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)



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