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2022年7月30日 (土)

大人になってからでは間に合わないことがある

 AllAbout《「食マナー」にキレる人々…ケーキのイチゴだけ食べる娘にイラッ!「味変」好きの息子にモヤッ!》[掲載日 2022年7月28日 22:05] から下に一部引用する.この記事の筆者は亀山早苗さんというかた.
 
「上の子が6歳くらいのときでした。いつも端からきれいに食べなさいと言っているのに、彼女はイチゴが大好きだから、ついほじってしまうんですね。それは許せなかった。そんなことをしていたら、将来笑われると言ったんです。
 すると黙ってみていた夫が『食べたいように食べさせてやれよ。大人になったら、外でそういう食べ方はしないよ。今からそんな押しつけるような言い方はしないほうがいい』って。それにも腹が立ちましたね。出てきたものを、出てきたままできれいに食べるのが当然でしょ、と」
 焼き魚の食べ方もうるさく言ったとワカコさん。夫はそれにも気乗りがしない様子で、子どもたちに魚をほぐしてやっていた。子どもなのだから、骨をのどにひっかけたら大変だと。
 大人になったら覚えればいいというのが夫の常だったが、彼女はまったく同意できない。今も食事のマナーについては、夫との間で争いが絶えない。
 
 私はワカコさんの意見に賛成だなあ.
 ワカコさんの夫は《大人になったら、外でそういう食べ方はしないよ》と主張するが,たぶん夫氏は外で見苦しい食べかたをして周囲の人たちに軽蔑されているに違いない.いかにもそういう人が言いそうなことだ.
 食べ物の見苦しくない食べかたを,大人になってから覚えるのは非常に難しい.幼少期に親のしつけが悪くて,汚らしい食べかたが身についてしまうと,矯正はほぼ絶望だ.特に,いわゆるクチャラーは治らない.
 少し前に俳優の大泉洋が小池栄子さんと食事しながらの対談番組に出ていた.
 たまたまその放送を観たのだが,私は日経提供の番組で知的な発言をする小池栄子さんのファンなので,そのまま視聴した.
 ところが,この収録で大泉洋は,クチャグチャペチャクチャという盛大な咀嚼音を全国の視聴者に聞かせたのである.
 小池さんが話している時は大泉は咀嚼音を響かせ続け,自分がしゃべる段になると,口の中に咀嚼物があるのに飲み込まずにしゃべった.
 たぶん大泉以上に酷いクチャラーは,芸能界にいないと思われる.
 その番組で大泉は,自分がいかにグルメであるかを滔々と語ったのだが,聞いてる方は実に情けなかった.クチャラーのグルメだってよ.OTL
 いや大泉洋がクチャラーでも私はどうでもいいのである.言いたいのは,大人になると誰も汚い食べ方なんかは注意してくれないということだ.その結果,クチャラー本人は自分の咀嚼音が食事に同席している人たちを不快にさせているという自覚がない.クチャラーが矯正できない理由はそれだ.
 余談だが,カラオケなんかで歌を歌う際に音程が外れるひとには二種類ある.自分の歌唱が音程を外していることを自覚している人と,していない人である.
 前者は歌が下手でもなんの問題もない.マイクが回ってきても歌わなければいいからである.
 ところが後者は,自分の歌が他人の耳には不愉快だということがわからないから,マイクを持ってしまう.そして嫌われる.
 クチャラーも同じで,他人は親切に注意をしてくれはせず,何も言わずに避けられるようになってしまう.
 会社員だと,同僚たちの飲み会に誘われなくなる.昼飯はいつも一人でさびしく食べなきゃならない.
 営業社員の場合,取引先の人にビジネスランチを断られる.接待の宴席に出禁になる.
 このようにして,次第に仕事でよい成績をあげる機会が減って来る.しかし実はいい仕事をする能力があるとすれば,いかにも残念なことである.
 だから親としては,子が小さいうちに,汚らしい食べ方はしないように教えるのがよい.
 親にそのように教育されなかった人は,ワカコさんの夫の主張のようにはいかず,《大人になっ》ても,汚い食べ方のままなのである.大泉洋のように.
 
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ウクライナに自由と光あれ
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(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)



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