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2022年6月12日 (日)

クルミを巡る食シーンの変化

 時事通信《クルミアレルギー、9年で10倍超=重篤症状も、消費増一因か―表示義務付けへ・消費者庁》[掲載日 2022年6月11日 13:32] から下に引用する.
 
クルミによる食物アレルギーの発症件数が9年間で10倍以上に増加したことが、消費者庁が今月公表した調査結果で分かった。消費量の増加も一因とみられ、同庁は今年度中を目標にアレルギー表示を義務付ける原材料にクルミを追加する方針。
 同庁は3年ごとにアレルギーの実態を調査。2011年に実施した調査では、クルミによるアレルギーの発症数は40件だったが、14年は74件、17年は251件に増加。20年は463件に達した。アナフィラキシーショックなど重篤な症状が出た例も、11年は4件だったのが20年には58件確認された。
 アレルギーを起こした食品別で見ても、20年の調査では鶏卵(33.4%)と牛乳(18.6%)に次ぎ、クルミなどの木の実類が3番目(13.5%)に多かった。木の実類の中では、クルミが半数以上を占めた。
 同庁によると、クルミの国内消費量は11年に9872トンだったのが20年には1万8826トンと1.9倍に増加。同庁は消費が増えたこともアレルギー増加の一因とみている。
 
 クルミの国内消費量は2011年から2020年にかけて約二倍にしか増えていないのに,アレルギーの発症事例は40件から463件にまで約十倍に増えた.
 消費者庁は《消費が増えたこともアレルギー増加の一因》とみているらしいが,アホも休み休み抜かせ.
 それでは勘定が合わぬだろうが.
 
 長期間にわたってある種の消費が増加トレンドであるということは,リピート消費が存在していることを示している.
 例えば吉野家では女性のリピート顧客を「牛丼でシャブ漬けにする」と表現 (炎上したあとで役員の首を切って事態を収拾したのは諸兄既にご案内のところだ) していたが,リピーターの上にさらに新規顧客を積めば,増加トレンドとなる.
 ただし,また別の消費では,ほぼ新規顧客だけで増加トレンドを示すこともある.キッチン家電などの大ヒットなどがそれで,一人でいくつもリピート購入するわけではないからだ.
 それはそれとして,クルミのアレルギー発症.
 一度クルミのアレルギーを発症し,原因がクルミだとわかっている人はもうクルミを食べない.リピーターではない.
 なのにクルミのアレルギーが増えているということは「これまでクルミを食べたことのない人たちが初めてクルミを食べる」例が増加していることを意味する.
 国内消費が大して増えていないのにクルミのアレルギーが大きく増加しているのは,一人あたりのクルミ消費量がむしろ減っていることを意味する.
 言い換えれば,クルミを少ししか含まない商品が大ヒットしているのである.
 この十年の大ヒット商品で該当するものを探すと,糖質制限を行っている人用に開発されたミックス・ナッツがある.これにはクルミが必ず入っている.
 糖質制限用のミックス・ナッツは十年前にはスーパーにはなかった商品だが,今は定番化している.すなわち,ミックス・ナッツは昔は酒飲みの「おつまみ」「乾きもの」だったのだが,今は幅広い消費者が間食としてこれを購入している.
 この商品だけではなく,クルミが低糖質であることから,クルミをダイエットを目的として生まれて初めて口にする消費者人口が増えているものと推定される.
 以上のことから,クルミのアレルギー発症が急激に増加したのは,糖質制限の流行と関係があると私は考える.
消費が増えたこともアレルギー増加の一因》は重箱の隅を突いている.問題はクルミ消費量が少しばかり増えたことではなく,クルミを巡る「食」シーンが変化したことにある.
 
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ウクライナに自由と光あれ
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(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)


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