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2022年6月 4日 (土)

欲ボケ老人

 読売新聞《「市役所から還付金」ATM操作する女性の電話代わると…焦った口調の男「土地取引で」》[掲載日 2022年6月4日 05:03] から下に引用する.
 
ニセ電話詐欺の被害を防いだとして、茨城県警水戸署は、水戸大場郵便局と同局員の男性(48)に感謝状を贈った。
 男性は4月19日午後4時頃、女性客(66)が携帯電話で通話しながら現金自動預け払い機(ATM)を操作しているのを不審に思い、用件を尋ねた。「市役所職員の男から、還付金の受け取りがあるからATMに行くように言われた」と説明したため電話を代わると、電話口の男は「土地取引に関する電話をしていた」と、焦った口調で異なる説明をしたことから詐欺と確信。局長(57)に報告し、同署に通報した。
 同郵便局は、振り込みが多額な場合や高齢者である時は、声がけや振込先に電話をかける取り組みをしている。男性は「嫌がるお客さまもいるが、それでも声をかけて被害を防げて良かった」と話した。落合洋一署長は「詐欺の手口が多様化する中、金融機関が未然防止してくれることは非常にありがたい」と話した。》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
 
 ニセ電話詐欺は他人事ではないので,ポータルサイトに掲載されたこの種の報道はほとんど読んでいる.
 するとポータルサイトは増々頻繁にニセ電話詐欺事件を掲載してくれる.
 掲載された記事を読むと,ほとんどはコンビニの店員さんとか郵便局や銀行のかたたちが被害を未然に防いでくださっている.
 まことに心強いことである.
 それでも善意の皆さんの声掛けを《嫌がるお客さまもいる》ので,残念ながら多額のお金を失う例が後を絶たない.
 そこで私が不思議に思うのは,金融機関窓口のかたがどんなに説得しても,詐欺師どもに電話で言われたままに頑なに振り込み操作をしてしまう老人たちの心理だ.
 NHKは日に何度も「ストップ詐欺被害!」というスポット放送をしている.テレビしか情報源のない老人たちは「市職員から還付金があるという電話があったら,それは詐欺です」と繰り返し繰り返し,耳にタコができるほど聞いているはずだ.
 それでも「還付金がもらえる」と言われると欲ボケの爺婆たちはいそいそとATMに行くのである.
 そして,銀行ATMの振込操作画面にも,還付金詐欺に関する注意が表示される.
 それでも欲ボケどもは操作を続けるのだ.
 以前,ニセ電話詐欺に何度もひっかかった人たちのことが報道された.彼らは認知症なのではない.カネの亡者たちは,還付金と聞くと居ても立ってもいられないらしいのだ.病膏肓に,とはこのことで,呆れて物も言えない.
 警察庁の資料《令和3年における特殊詐欺の認知・検挙状況等について》によると,令和三年の特殊詐欺の認知件数は14,498件で,被害額は282.0億円である.一件当たりの被害額は約二百万円だ.
 通帳にわずかなバイト代しか入っていない非正規の青年からすれば,勝手に騙されてろ!と言いたいところだろう.
 私も,孫を装ったオレオレ詐欺師に騙される老人には同情することもあるが,還付金詐欺には一片の同情も覚えない.詐欺被害者と聞くと何となくかわいそうであるが,実は彼らは,チンピラ悪人や反社の資金源に自ら進んでなっているのだから,騙された連中はむしろ責められて然るべきである.
 
銀行員「お客さま,それは詐欺です!」
じじい「詐欺のはずはない!」
銀行から連絡を聞いて駆けつけた警察官「お爺さん,最近そういう詐欺に騙されるお年寄りが増えているんです」
じじい「電話では確かに市役所の人だと言った!」
警察官「詐欺師はみんなそう言うんです,思いとどまってください」
じじい「うるさいっ!止め立てするなら警察を呼ぶぞっ!」
 
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ウクライナに自由と光あれ
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(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)


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