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2022年6月28日 (火)

ウクライナ危うし

 NHKの報道番組でイギリスBBCやドイツZDFの伝えるところを注目していると,このところウクライナの戦況を悲観させるような材料が出ている.
 現下の状況が生じた遠因は,フランスとドイツにある.かつてウクライナはNATO加盟を希望し,2008年の首脳会議 (ブカレストで開催) でNATO諸国の大勢はウクライナを承認する方向だった.しかし,フランスとドイツが反対したためにこのプランは潰えたのであった.
 フランスやドイツは,ウクライナが加盟すればロシアがヨーロッパ全体の安全保障を脅かす軍事行動に出るおそれがあるとして反対したのである.
 現況を見れば,この両国の判断は間違っていた.ロシアはウクライナがNATOに加盟しようがしまいが,旧ソ連圏の復活を目論んでいたからだ.
 フランスとドイツが判断を誤ったのには理由がある.
 もとよりドイツの半分はロシアの属国だった.当時の東ドイツの国民は,東西ドイツの統一のために国家経済が崩壊して塗炭の苦しみを味わった.
 今でもソ連圏だった頃の東ドイツにノスタルジーを覚える国民がドイツには多いだろう.現在のドイツ経済のロシア依存は,ドイツ人の親ロシア感情が,もっとあからさまに言えばメルケル元首相の親ロシア姿勢がもたらしたものであると言える.(JIJI.COM《ウクライナのNATO早期加盟、阻止は妥当だった メルケル前独首相》[掲載日 2022年4月6日 9:18])
 世の中は吉凶見極め難し.メルケル氏の対ロシア融和政策 (ウクライナのゼレンスキー大統領は,これは融和ではなく譲歩であるという) は成功するかに見えたが,いざロシアに牙をむかれてみたら,ロシアの顔色を伺うことがドイツには必要になった.立場逆転だ.
 ショルツ独首相は,ウクライナに武器を供給すると何度も発言したが,それはNATO各国に対する言い訳である.本音はもうウクライナに降伏して欲しいのだと思われる.
 フランスも,第二次大戦中は,ファシスト政府が統治した黒い過去がある.
 フランス国民はファシズムを容認する国民性があるのだ.マクロン大統領がウクライナ支援を継続すれば,国民は与党を見限って極右政党の支持に傾く可能性が非常に高い.従って,フランスが民主主義国家であり続けるためには,マクロン大統領はウクライナから手を引かざるを得ないのだ.
 今,ドイツでG7首脳会議が開かれ,G7の結束強化を課題にしているが,それは結束が弱化しつつあることの裏返しだ.日本のメディアはこれを「ウクライナ疲れ」と呼んでいるが,明らかに疲れているのは独仏両国である.
 その結果,もう戦争支援をやめたい独仏両国はNATO各国に,ロシアのウクライナ侵略を容認させるために働きかけるだろう.
 アメリカだって,現状はバイデン大統領の支持率が低すぎるので,今後は対ウクライナ政策が不安定化するかも知れない.将来,トランプが再び大統領に復帰したりすると,アメリカはウクライナを見捨ててロシアとの関係修復に動くだろう.
 こうなると,自由と民主主義という西側陣営の基本的価値感を堅持するのは英国だけということになりかねない.
 NHKの報道によれば,G7ではジョンソン英首相がマクロン大統領との会談を行っているらしいが,これが失敗してフランスがロシア包囲網から抜けると,ドイツも抜けるだろう.
 そうなれば,ロシアの思う壺だ.昨日,ロシアはウクライナのキーウ中心部にミサイルを撃ち込んだ.
 その他の都市でも,ショッピングモールがミサイルで破壊され,多数の民間人が死傷した.ゼレンスキー大統領はこれをテロだと非難したが,マクロン大統領はテロではないと反論した.
 フランスとウクライナの反目が誰の目にも明らかになっている.
 
 悪鬼と化したロシア軍は,戦争の最前線から遠く離れたロシア国内から,あるだけの中距離ミサイルを見境なく撃ちこみ,ウクライナ軍と戦うのではなく,民間人を中心に殺戮し続けることでウクライナ国民の戦意を喪失させる戦術を取るだろう.ウクライナ全土の焦土作戦を始めるのだ.
 つい数日前,ウクライナ東部ではウクライナ軍の撤退が行われた.米英政府は戦術的撤退だと強弁しているが,BBCなど西側メディアの報道を視聴していると,敗走が実態ではないかと思われる.
 ウクライナ軍が有する旧ソ連製兵器は半数が失われたとウクライナは発表した.もっと深刻なのは,砲弾が枯渇しつつあるのではないかということだ.
 ウクライナ軍が容易に使用できる旧式兵器はもうすぐ損耗する.そうなると米英が最新兵器を供与していくことになるが,それには兵の訓練が必要になる.ジョンソン英首相は既にウクライナ軍の訓練に着手していることを明らかにしているが,ウクライナがどこまで踏ん張れるか,ここが正念場だと思われる.西側メディアは,ウクライナの反撃が六月に始まると報道していたが,遂に六月反撃はなかった.
 
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ウクライナに自由と光あれ
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(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)



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