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2022年6月24日 (金)

百日の説法屁ひとつ

 東洋経済オンラインに,マルクス経済学者の的場昭弘氏が《ロシアを積極的に批判しないアフリカの怨念 ロシアと中国はアフリカの真の独立を支援してきた》[掲載日 2022年6月24日] を寄稿している.
 的場氏の主張は日本政府の姿勢と日本国民の世論を真っ向から批判するものだ.
 世界各国の大勢はEUやNATOに結集している西側陣営を支持しておらず,とりわけアフリカ諸国にとってロシアと中国は希望の星であるというのが,的場氏の主張である.
 的場氏の主張によれば,西側陣営は面積でも人口でも,グローバルに観ればわずかなものに過ぎない.なるほどそうだ.しかし,世界の運命は,人間社会における大義,正義,人道主義といった人間的価値観よりも,国の面積や人口の多寡で決まるのだと言う的場氏の感覚に私は疑問を持つ.
 もう一つ.現在ウクライナ政府と国民を支持している西側諸国だって,かつては植民地の宗主国だったり,帝国主義戦争の当事者だったりした過去がある.だからそのような諸国がロシアの侵略戦争を非難するのはおかしいと的場氏は言う.
 なんとなく正論のようだが,結局のところ的場氏の論理は,ロシアの免罪と擁護である.
 的場氏によれば,世界中に植民地を経営した宗主国であるイギリスやフランスにロシアを非難する資格はないとのことであるが,東欧圏は旧ソ連を宗主国として隷属した過去や,中国はいずれアフリカ諸国の宗主国として君臨するだろうことについては,的場氏は語らない.これは論理的にフェアでない.
 
 ロシアの地方議員が,ロシアは北海道に侵攻する権利を有すると主張している.また中露の海軍艦船は最近,日本列島周辺を周回して威嚇を続けている.そして中国軍機は沖縄上空を頻繁に飛行して挑発している.これらの行動は,その気になれば中露は日本に侵攻するというデモンストレーションだ.
 このような危険な挑発に対して,的場氏の論理では,かつて侵略戦争を行った日本は抗議してはいけないということになる.日本を侵略することは,中国の権利であるということになる.
 ま,何を主張しようと,マルクス主義者である的場氏の勝手ではある.プーチンがロシアを新ソ連として復活させ,習近平が中華帝国皇帝として君臨すれば氏は満足なのであろう.
 さて,私が批判したいのは,そういう真っ当な話ではない.次の的場氏の文章である.
 
経済制裁という先進国の切り札は、両刃の剣であることを知るべきだ。金融によって後進諸国を締め付けることで、後進諸国は次第にそれに対応する経済をつくってしまうのだ。金融制裁に慣れはじめ、今ではドルやユーロでもない別の通貨で売り買いを行うようになったのである。
 しかも西アフリカのように、宗主国の通貨であるユーロそして植民地通貨CFAを拒否し、生産物の輸出の拒否さえしかねないのだ。その背景には、彼らを支持するロシア、中国、インドなどの国がいる。これらの国がNOというのを手助けしてくれているのである。
 このような状況は、もうローマ奴隷の反乱に近いのかもしれない。マルクスはこういう言い方をしている。「ブルジョワ階級は自らを死に至らしめる武器を研ぎ澄ましただけでなく、この武器を使う人々―すなわち近代的労働者、プロレタリアをつくり出したのである」(的場昭弘訳『新訳 共産党宣言』作品社、49ページ)。プルジョワを先進国、プロレタリアを後進国に入れ替えれば、その意味が自ずとわかるというものだ。》(文字の大きさを変える強調は当ブログの筆者が行った)
 
 日本語の作成をローマ字入力で行うか,あるいはかな入力で行うか.
 ローマ字入力なら,ブルジョワをプルジョワと誤記することは絶対にない.
 かな入力で文章を書く人は「プ」と「ブ」とをミスタイプしやすいことは承知だから,書き終わってから必ず誤記がないか確認するのが常識である.
 しかるに堂々と的場氏はプルジョワと書いている.つまりこの人は自分の文章を推敲せずに書き殴っている.
 どんな立派な主張も,ブルジョワプルジョワと書いてはおしまいだ.これはただの誤記ではない.誰でも穴に隠れたくなるほどの恥ずかしい間違いだ.これは氏の頭の出来がお粗末であることを示している.
 
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ウクライナに自由と光あれ
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(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)


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