ホロ座布団と生活困窮
FNNプライムオンライン《手にハサミ...“コンビニ強盗” 71歳男 生活困り犯行か 「金があれば好きなことが...」》[掲載日 2022年5月24日 17:36] から下に引用する.
《金子容疑者の自宅には、座布団とみられるものがボロボロになった状態で置かれていた。
近所の人「何で食べているのかわからないんだけど。何にも仕事してないでさ。生活に困ってるからさ、どっかでお金を手に入れようとするじゃない」
警察に対し、容疑を認めているという金子容疑者。
犯行の動機について、「お金があったら、自分の好きなことができるから」と供述している。》
なんだかよくわからないニュースである.
毎日報道される刑事事件の中で,コンビニ強盗はそれほどレアではないような印象を私は持っている.
だとすると,テレビの報道がこの事件を取り上げた理由は何か.それがよくわからない.
近所の人は《(容疑者は) 何にも仕事してないでさ。生活に困ってるからさ》と述べているが,報道画面を見たところ,容疑者は普通の一戸建て住宅に住んでいる.
そして警察の調べに対して,容疑者自身は《お金があったら、自分の好きなことができるから》と供述している.
考えてみるまでもなく,「生活に困っている」のと「好きなことをしたいから」とでは大きな違いがある.
本人の供述と住宅状況からすると容疑者は「生活に困って」いたわけではないかのかも知れない.
そこでテレビ局の取材スタッフは,小綺麗な一戸建て住宅の外観から「生活に困っている」状況証拠を見つけようとした.
しかし,見つかったのは,玄関脇に置かれていたボロボロの座布団だけであった.
止む無く取材スタッフは《金子容疑者の自宅には、座布団とみられるものがボロボロになった状態で置かれていた》と報道したものと想像される.
だが,そういうスタッフの妄想について,ニュース中に何の説明もないから,唐突にボロ座布団が登場して,視聴者は面食らう.なんだかよくわからないニュースだなあ,と.
そういうわけで,玄関脇にボロボロの座布団を置いたりすると,一戸建てに住んでご飯を食べて行くくらいのおカネがあっても,生活困窮者と報道されるようなので,高齢者諸氏は気をつけましょう.
いや,他人事ではない.もし私がコンビニに強盗に入ったとすると,近所の人はテレビの取材者に私のことを「何にも仕事してないでさ生活に困っている人」と評するに違いない.生活に困ってはいないが,仕事はしていないからである.しかし七十過ぎたら仕事をしていなくてもいいじゃないかと私は言いたい.
(まじめにコメントすると,この事件はボロ座布団ではなく「社会から忘れられた孤独な老人」という切り口で評するのがよいかも知れない)
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ウクライナに自由と光あれ
(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)
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