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2022年5月16日 (月)

マスクは花粉症に卓効がある /工事中

 私は長年にわたり花粉症に悩まされてきた.
 症状はおもに鼻炎で,眼の痒みはそれほど酷くはない.鼻と眼では,花粉に対する感受性が異なるというのがおもしろい.
 花粉症になった当初は,抗ヒスタミン剤系の点鼻薬を薬局で買って使用していたが,点鼻薬の難点は次第に効果が低下するということだ.
 説明書には「点鼻薬の使用は,○時間の間隔を置いて一日に何回まで」と書かれているが,それでは用をなさなくなり,一日に四回のはずが五回六回と増えて行く.
 もう二十年以上前,ある年の杉花粉が盛大に降る季節,点鼻薬に全く効果がなくなり,鼻呼吸ができなくなった.
 これはまずいと思って耳鼻科で診察してもらったら,鼻の奥が腫れあがって,鼻の穴がふさがっていた.
 そこで医師は,炎症を鎮める応急処置と鼻腔洗浄を行い,ステロイド剤の処方箋を書いてくれた.
 
 余談だが,耳鼻科で処方してもらったのは粘膜付着型鼻過敏症治療剤「リノコートパウダースプレー鼻用」という優れた薬だったのだが,これを開発した帝人ファーマと,後発医薬品「ベクロメタゾン鼻用パウダー」を製造する東和薬品との間で後に訴訟が生じた.用法や薬剤容器が酷似しているということのようで,ウェブには「リノコート訴訟」という言葉がある.
 これが和解した今年の三月をもって「リノコートパウダースプレー鼻用」は販売終了した.先発メーカーとしては利益を生まなくなったものを整理したということらしい.従って花粉症の人は今後,後発医薬品メーカーのジェネリックを使うことになる.
 また最近はアンテドラッグ系ステロイド剤点鼻薬というのが登場している.私は使ったことはないが,この薬は処方箋なしで薬局で購入できるので,今後の花粉症対策に有効かも知れない.
 
 さて毎年十二月頃から花粉症のシーズンが始まる.その頃に予防的に「リノコートパウダースプレー鼻用」の使用を開始する.
 鼻孔噴霧用ステロイド剤は副作用はないが連用は避けなければいけないので,内服薬のアレグラと点鼻薬との併用で花粉症シーズンをずっと乗り越えてきた.
 そこにコロナ禍が発生した.時あたかも花粉症シーズンの始まる時であった.
 感染症対策として臨床の専門家たちが,手洗いの励行とマスク着用など基本的感染予防行動を国民に呼びかけ,私はただちにこれに従った.
 そして数ヶ月後,私は花粉症を発症せずに済んだことを知った.
 その理由は,外出時に必ずマスクを着用することだった.その効果は驚くべきだった.
 人混みではないからという理由でマスクを外すと,とたんに鼻炎が始まるのである.
 これがわかったので,コロナ禍が始まって以降,私は花粉症とおさらばした.あれほど長いこと悩まされてきた花粉症が寛解したのである.
 ステロイド剤もアレグラも抗ヒスタミン点鼻薬も要らない.花粉症の鼻炎にはマスクがまるで特効薬のように効果を示すのである.以前からマスクが花粉症に有効だとは聞いていたが,これほどとは思わなかった.
 
 ところでつい最近,東京都医師会がマスク着用について見解を示した.
 テレ朝news《「マスク屋外着用の見直しを」都医師会が“新提言”》[掲載日 2022年5月11日 12:41] から下に引用する.
 
東京都医師会から新たな提言です。
 東京都医師会・尾崎治夫会長:「マスクをどうするのか、話が出ている。屋外で換気の良い場所は、それほど感染リスクはない。屋外では(マスク)着用の見直しをしていってもいいのではないか」
 10日、「屋外など、マスクを外せる場面では外したほうがいい」と提言したのは、東京都医師会です。
 すっかり定着した外出時のマスク着用。街の人に聞いてみました。

 60代男性:「(マスクを)外してもいいと思います。外であればね。一応、外気があるということもありますし、室内では我慢するにしても、屋外では外してもいいんじゃないかなって思います」
 20代男性:「全然いいと思う。海外とかじゃ結構、外していると思うので。外ならいいのかな。電車とかは、まだ(マスクを)着けたほうがいい」
 一方で、マスクを外すのは、まだ怖いという声も聞かれました。
 20代男性:「まだ、世間体みたいなところもあるので、自分は外さないでいます。周りが外さないと、雰囲気的に外しづらいので、自分はまだいいかなと」
 40代女性:「徐々に段階を踏んでいったら、いいと思うんですけど。いきなり(マスクを)外してしまうと、これから海外の人が入ってくると思うので。ある一定の決まりを作ってからならいいと思うけど、このまま(マスクを)外すのは反対です」
 東京都医師会の尾崎会長は、密になる場所などでは、マスクの着用の必要性がまだ高いと注意を呼び掛けています。
 
 このニュースは事実を歪曲している.
 どうもおかしいなと思って,東京都医師会の公式サイトに掲載されている定例記者会見の動画を観てみた.
 そうしたら,東京都医師会はそんなことは言っていないのである.
 まず記者会見の冒頭で都医師会の尾﨑治夫会長が「あいさつ・総論」を述べた.
 この総論の中で尾崎会長はマスク着用について,屋外では感染リスクは低いとして《着用の見直しをしていってもいいのではないか》と述べた.ここまではテレ朝newsは事実歪曲をしていない.
 尾崎会長は,マスクについてはそれだけを述べて,詳しくは川上理事から話があるとした.
 問題は,川上一恵東京都医師会理事の「ポストコロナに向けて」(動画URL) と題した説明である.これをテレ朝newsは改竄したのである.
 
 川上理事は,これまで小児にもマスク着用を推奨してきたのは,重症化リスクの高い高齢者を感染から守るだめだったと述べた.
 小児は,以下の理由から,感染しても無症状のことが多い.
1)成人の免疫系は「獲得免疫」が優位であるのに対し,小児は「自然免疫」が優位.
2)健康な小児の気道ではインターフェロン活性化状態にあり,感染後速やかにウイルスの増殖を制限できる.
3)小児の新型コロナでは血液中の細胞障害性免疫細胞の反応が成人に比して軽度.
 そのため,家庭内で小児から高齢者へ感染が広がってしまう.
 これを避けるために,小児にもマスク着用を勧めてきたのである.
 しかし,高齢者のワクチン接種が進み,東京都では第三回のワクチン接種が以下のようになっている.
60代 80.3%
70代 85.9%
80代 89.5%
 ここまで接種が進んだことにより,子供たちから高齢者が感染して重症化するリスクはかなり低くなった.
 そこで,段階的に感染対策を解除していきたい.
 これから夏に向けて気温・湿度が高くなるので,子供たちにとっては熱中症の危険性が高くなるので,まずはソーシャルディスタンスを保てる屋外ではマスクをはずす


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