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2022年5月21日 (土)

老人はあちこちが痛い

 一昨日,友人たちと久しぶりに会食をした.場所は横浜の桜木町で,普段よりもよく歩いた.
 そうしたら翌日,左足の膝裏に強い痛みがでて,びっこを引いて歩かねばならなくなった.
 ネット情報を色々と調べたら,変形性膝関節症というものらしかった.
 かなりの知識を得た上で,藤沢駅の北口にある整形外科を受診した.内科と眼科と整形外科と調剤薬局が,ビルの同じフロアにある.最近こういうのが多い.
 
 整形外科の待合室は閑散としていて,問診票 (タブレットだった.高齢者でも操作できるのが前提なんだなーと思った) の質問事項に答えて窓口に提出し,数分待ったら診察室に呼ばれた.
 医師は私の膝に触るとすぐ「変形性膝関節症だね」と言って,レントゲンを撮るように指示した.
 レントゲン室で膝の撮影をしたあと,再び診察室で医師の説明を聞いた.
 ディスプレイ上に示された私の左膝のレントゲン像は,ウェブ上に掲載されている正常な膝の像と完全に同じであった.
 しかし医師は,軟骨の変形が全く観察されない私の膝のレントゲン像について,指で軟骨 (軟骨はレントゲン像には映らない.骨と骨の間隙として示される) 部分を指でなぞりながら「この軟骨がすり減ったために痛くなるのです」と言った.
 はあ?すり減ってないじゃん,と思ったが,私は何も言わなかった.
 治療は,ロキソニンのテープを幹部に貼ることと,ロキソニンの内服だった.あとは「リハビリに電気をかけるので来てください」と言った.
「リハビリは週に何回すればいいですか?」と訊ねたら,「時間があれば毎日でも」と医師は言った.
 医師は「胃の薬も出しておきましょう」とも言ったが,私はかかりつけの内科で胃の薬をもらっているので「それはいりません」と言った.
 すると医師は露骨に顔をしかめて看護師に「胃の薬はいらねえってさ」と不機嫌に言った.自分の診察に対して意見を言う患者は嫌いなんだろうと思った.膝関節のレントゲン像について「軟骨はすり減ってないように見えますけど……」と言わなくてよかった.出禁になったりして.w
 後で調べると,軽度の (初期の) 変形性膝関節症はレントゲン像で診断できるものではないらしい.
 
 さて会計を済ませて,処方箋をもって整形外科の隣にある薬局に行った.
 この薬局は初めてだったので質問票を渡された.その中に「ジェネリックを希望しますか」とあったので,ジェネリック嫌い (日本の後発医薬品メーカーの品質管理のデタラメは酷くて,品質事故が最近多発している) の私は「希望しない」と書いた.
 しかし,出てきたのはジェネリックだった.
 どういうことかというと,利益重視の薬局は,仮に患者が先発品を希望しても,ジェネリックを出せば調剤基本料に上乗せがあるので,患者の希望なんぞ無視すればいいのである.(資料;《令和4年度診療報酬改定答申より後発医薬品の使用促進について》) (調剤薬局によっては,ジェネリックしか扱わないことがある.藤沢駅の北口にある調剤薬局「クリエイト」で処方箋を出したら,「うちはジェネリックしかありません.先発品が必要なら他の薬局に行ってください」と言われたことがある)
 言葉遣いが不機嫌な整形外科医といい,処方箋の記載を勝手に変更してしまう薬局といい,なんだかなー,であるが,受診してしまったものは仕方がない.あれこれ言うとクレーマー扱い確定なので,おとなしく従った.
 ちなみに,藤沢駅の近くにある大島薬局は,絶対にジェネリックを強制しない.次回は大島薬局に行くことにする.
 
 昔々,激しい腰痛に悩まされて歩行もおぼつかなくなったことがある.
 ネットで評判を調べて,藤沢市にある「かすが整形外科」に通うことになった.
 腰椎のレントゲン像に異常は観察されず,治療は「メコバラミン」(ビタミンB12) の継続内服と,痛みが強い時にロキソニンを服用するが,リハビリ (電気治療,牽引治療) を治療の中心とするということであった.
 それから半年間,私はせっせとリハビリをしに「かすが整形外科」に通院した.
 しかし全く腰痛は改善が見られなかった.
 そこで受付の女性に「全然よくならないので,先生に相談したいのですが……」と申し出た.
 予約を取って,院長に「半年もリハビリをやりましたが,腰痛がよくなりません.どうしたらいいでしょう」と言ったら,院長はこう言った.
「そうですか……それではよい病院を紹介しましょう」
「かすが整形外科」はよい病院ではなかったのだ.院長自身にそう言われて,私はほんとに驚いた.無駄にした時間を返してくれー.
 ちなみに,ウェブ上を「牽引治療」で調べてみたらところ,腰痛に対して「牽引治療」に効果があるというエビデンスはないのだそうである.なるほど,よく考えてみれば,潰れて変形した腰椎を引っ張っても治る (軟骨が復元する) わけがないよね.ある整形外科医が牽引治療の有効性について「有効だとのエビデンスはないが,患者の満足度を高める効果がある」と書いている.気休めということらしい.
 では電気治療はどうか.広島大学病院リハビリテーション科の木村浩彰らによる総説「運動障害以外の疾患に対するエビデンスに基づいた電気刺激療法」によれば次のようである.
 
電気刺激療法は古くから広く臨床で用いられているが,臨床的エビデンスに乏しい.医用工学の進歩により新しい電気刺激療法が創られている.リハビリテーション医学は物理療法としての電気刺激療法をこれからも積極的に使用し,エビデンスのある治療として確立させなければならない》(引用文中の文字の着色は当ブログの筆者が行った)
 
 長い歴史があるのに臨床的エビデンスに乏しいということは,臨床的効果がない可能性が高いわけで,木村先生,だいじょうぶか.
 
 さてそれから程なくして,NHKで腰痛に関するスペシャル番組が放送された.
 東京大学医学部附属病院の松平浩医師の研究によれば,脳が慢性腰痛の原因のことがあるという内容であった.
 NHK《腰痛・治療革命~見えてきた痛みのメカニズム~》[初回放送2015年7月12日 21:00~21:49] から下に引用する.
 
慢性腰痛の多くは「正しい知識の不足などによる無用な恐怖」が生み出している“幻の痛み”であることが科学的に分かってきました。腰痛を改善するために重要なのは、“簡単”に恐怖を克服できる方法を“具体的に”示すことです。だからと言って、信頼性の乏しい方法を提示するわけにはいきません。そのため、世界的な腰痛の権威とタッグを組んで、科学的な根拠のある方法だけを厳選しお伝えすることに努めました。
これまで数万人規模で腰痛患者を改善に導いた東京大学医学部附属病院の松平浩さん、さらにヘルニア手術の権威・稲波弘彦さん、そして国際的な腰痛学会の会長も務めた菊地臣一さんの監修を受けて対策法を考えました。さらに、国内外の論文や、治療の指針となるガイドラインとも照らし合わせて「効果アリ」とお墨付きがあるものを選んだのです。 ご紹介した「映像を見る」「1回3秒背をそらす」どの対策も自信を持ってお伝えできるものです。「本当にこれで改善するの?」と思われる方も、とにかく実践してみませんか?
2週間で、あなたの長引く腰痛は劇的に改善する可能性があるのです。
(科学環境番組部ディレクター 小澤 恵美)》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
 
 この放送を観て,私は蒙を啓かれた思いがした.
 私は,番組で紹介されて方法を実行し,そして暫くして私の腰痛は嘘のように消えたのであった.今も再発していない.
 私の「変形性膝関節症」の痛みも,一過性の炎症によるものだとすれば,もしかすると「この痛みは治る」というイメージ・トレーニングが有効かも知れないと思う.
 実際,発症から一日経過した今日,正座から立ち上がる時に痛みがあるが,普通に歩行するには痛みはなくなったのである.このまま寛解すればいいのだが.
 
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ウクライナに自由と光あれ
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(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)



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