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2022年4月11日 (月)

国債デフォルトについて (続報)

 私は昨日の記事《国債デフォルトについて》で次のように書いた.
 
まず,報道では一口に「デフォルト」と言っているが,これにはロシアの企業が発行する社債のデフォルトとロシア政府の発行するロシア国債のデフオルトがある.今回のロシア制裁において注目されているのはロシア国債のデフォルトである.
 
 ロシア国債のデフォルトに比較すれば影響は限定的であるが,社債デフォルトも報告され始めている.(《共同通信《ロシア鉄道がデフォルト》[掲載日 2022年4月11日 21:10]》
 ロシア鉄道は国有企業であるが,ロシア鉄道は今後,同社の社債を買うロシア外の投資家はなくなったということになる.
 
デフォルトの実例としては,ギリシャ (2015年),レバノン (2020年),アルゼンチン (過去に9回も発生) が有名で,これらによって何が起きたかは,専門家による論文に譲るが,要するに新規国債の発行が不可能になる (発行しても誰も買ってくれない) ということである.
 
 ロシア国債に関して,動きがあった.
 Bloomberg《ロシアの国債発行、国内外で年内停止-財務相をイズベスチヤ引用》[掲載日 2022年4月11日 14:24] から下に引用する.
 
ロシア政府は借り入れコスト急騰を理由に年内の国債入札を停止し、国内外で発行を取りやめる。ロシアのシルアノフ財務相の発言を引用し、同国紙イズベスチヤが報じた。
 シルアノフ財務相は同紙に対し、「われわれは今年国内市場や国外市場に行く予定はない。借り入れコストの果てしない上昇が予想され意味がない」と語った。
…… 
 ロシア財務省のデータによれば、今年これまでのルーブル建て国債(OFZ)の発行額は1280億ルーブル(約1994億円)。当初の計画では1-3月(第1四半期)に7000億ルーブルの発行を予定していた。

 アベニュー・アセット・マネジメントの債券責任者カール・ウォン氏は「ロシアが債券を発行しないことを選択するかどうかの問題ではなく、可能かどうかという問題だ。現状では、いかなる新規発行にも市場は全く存在しない」と指摘した。
 
 この《ロシアが債券を発行しないことを選択するかどうかの問題ではなく、可能かどうかという問題だ。現状では、いかなる新規発行にも市場は全く存在しない》は,私が書いた《要するに新規国債の発行が不可能になる (発行しても誰も買ってくれない) ということである》と同じ意味である.カール・ウォン氏の見解は正しいが,
 
一方、バンク・オブ・シンガポールの債券責任者トッド・シューベルト氏は、ウクライナ侵攻が始まった時点でロシアの財政状況は、かなりの外貨準備と低レバレッジのおかげで良好な状態だったと分析。「健全な財政状況と炭化水素輸出でなお相当な収入を得る能力を考え合わせると、予見できる将来について公債市場へのアクセスを控える柔軟性が政府に与えられる」との見解を示した。
 
 トッド・シューベルト氏の《健全な財政状況と炭化水素輸出でなお相当な収入を得る能力を考え合わせると、予見できる将来について公債市場へのアクセスを控える柔軟性が政府に与えられる》も現時点では妥当な見解だろう.
予見できる将来について公債市場へのアクセスを控える柔軟性が政府に与えられる》は,ロシア政府は当面,国債をロシア外で販売しなくてもやっていける,という意味だ.
 経済制裁が始まった当初,ロシア経済を追い詰めるのに五年かかるか,あるいは十年かかるか,と専門家は観測した.
 現時点でも専門家の見解は変化していないと思われる.ま,これら専門家の見解を「ガセ」と言い切る三浦瑠麗には金輪際理解できない話ではあろう.
 
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ウクライナに自由と光あれ
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(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)


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