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2022年4月10日 (日)

国債デフォルトについて

 フジテレビの《ワイドナショー》(4/10放送) に出た三浦瑠麗が頓珍漢なことを述べた.
 スポーツニッポン《三浦瑠麗氏 ロシアによるウクライナ侵攻 停戦合意が進まない理由と「議論しなきゃいけない点」》[掲載日 2022年4月10日 12:12] から下に引用する.
  
さらに「実は大規模制裁による効果って、これの専門家っていないんです。例えばデフォルトってずっと論じられているけれど、デフォルトしたときに何が起こるのかってことわかってるって人はたぶんそれはかなガセと思うんですね」と私見。
 「(デフォルトというのは)借金踏み倒しだと考えていただければいいんですけど、国の政府が借金を踏み倒した時に何が起きるかは、実はわからないんです。それが例えばロシアを追い詰めることにつながると思って今やってるわけですよね。ロシアのあらゆる海外資産を押さえて。だけども、おそらくロシアは生き延びるし、エネルギーで制裁をすればエネルギー価格が上昇して、産油国ロシアも含めてですけど、エネルギー保有国や生産国は軒並み儲けるんですよ」とした。
 
 まず,報道では一口に「デフォルト」と言っているが,これにはロシアの企業が発行する社債のデフォルトとロシア政府の発行するロシア国債のデフオルトがある.今回のロシア制裁において注目されているのはロシア国債のデフォルトである.
 三浦は無知なのに知ったかぶりをして《これの専門家はいないんです》と得意げに語ったが,これを見ていた視聴者は驚いたことだろう.
 世界中にいる投資家および格付け会社の専門職がその専門家だからである.そんなことは常識だ.
 しかし彼らは直接私たち一般の者や日本政府に,ロシア国債デフォルトの説明をしてくれるわけではない.その代わり,経済学者や経済ジャーナリストおよび投資コンサルタントが,各種メディアを通じて今回の経済制裁で何が起きるかを説明してくれている.
 経済ジャーナリストではないが,おなじみ池上彰の無双解説もテレビや週刊誌でやってくれている.
 それらの専門家は,三浦ごときに「あなたがたの言っていることはガセです」と言われたら怒るのではないか.
 
 デフォルトの実例としては,ギリシャ (2015年),レバノン (2020年),アルゼンチン (過去に9回も発生) が有名で,これらによって何が起きたかは,専門家による論文に譲るが,要するに新規国債の発行が不可能になる (発行しても誰も買ってくれない) ということである.
 ギリシャなどの過去の実例と比較すると,ロシア経済は簡単には崩壊しないと観測されているようであるし,その上,中国,インド,ハンガリーなど親ロシア諸国がロシアを支援する.
 とはいえ中国としては紙くずに等しいルーブルを抱えて自国経済に損失を蒙るわけにはいかない.そこで一説には,ロシアは利払いに「金」を用いることになるとの観測もある.
 ま,そんなことを,ロシアに対する経済制裁の開始時点で既に専門家が述べていたと記憶している.
 三浦瑠麗は,それらの投資専門家に対して「あなたの言っていることはガセです」と述べるのであれば「ガセである理由」を論文で明らかにする義務がある.三浦は,自分がわからないことは他の人もわからないはずだと思い込んでいる.増長もいい加減にするがよい.
 
 ついでだが,この番組で三浦は《どこかで、ロシアにある程度線引きをして、そこから向こうに引いてもらって、さらに共存する仕組みを作んなきゃいけないんですけど》と述べた.これはウクライナを,かつての東西ドイツのように分割するという主張である.この主張は既に玉川徹がテレビ朝日《モーニングショー》で述べたが,三浦瑠麗が二人目である.そんな第二次大戦の戦後処理みたいなことを,祖国を追われたウクライナ国民にどう説明するのか.「あなたの故郷はもうありません.ロシアの領土になりました」とでも言うのか.
 第二次大戦のドイツは侵略戦争を行ったから敗戦後に国家としての主権を失って分割されたのだが,ウクライナは侵略された側だ.それがなぜ分割されねばならぬ.
 たかがコメント芸人が,まるでスターリンにでもなったつもりらしい.このスターリニストめが,増長もいい加減に (以下同文)
 
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ウクライナに自由と光あれ
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(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)


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