虹の橋を渡る準備
私の犬が死んだ夢を見た.
彼女は白内障が進行して,左目は完全に白濁して見えなくなっている.右目もほとんど見えていないはず.
最近は耳もよく聞こえないようで,食事の際に大きな声で「おすわり」させている.そうしないと皿に出したフードをドンドン勝手に食べてしまう.
そして食事後は一日中,ホットカーペットの上でうたたねしている.
私も老いたが,君も老いたなあ.
夢から覚めて,アマゾンでペットの仏壇を検索した.
仏壇といっても彼女は無宗教なので,小さな骨壺を入れておく箱のようなものだ.
安価なものなら一万円以下からあり,上は二万円ほどで,それほど高くはない.
火葬してもらうのには,ダンボール製の棺も必要だ.これは事前に用意しておかねばならない.
火葬費用は意外に安くて一万円ほど.けれど火葬に立ち会うとすると追加費用がかかる.まあ当然だ.
彼女が虹の橋を渡るのはいつのことだろう.
随分と長いこと一緒に暮らしてきたが,私が看取ってあげられることは確実で,本当にこれはよかった.
しかしその後のペットロスに耐える日々のことを想像すると,涙がとまらない.まだ元気なのに,私のペットロスはもう始まっている.
彼女がいなくなったあと,この老人に保護犬や保護猫を譲渡してくれる団体は一つもない.高齢者には保護犬は譲渡されない.
若くて経済力があって狭くはない住宅に住み,かつ一人暮らしではない者にしか保護犬や保護猫は譲渡されないのである.
知人から聞いた話では,収入に始まり貯蓄額のことや親類のことまでチェックされたという.保護犬を譲渡される人たちは,いわばエリートなのだ.
そういう条件に合格できないが,しかしペットを必要としている人 (例えば高齢者は,高齢者というだけで不合格だ) には,たとえ飼い主を必要としている犬や猫であっても譲渡されないという現実を,『夜回り猫』の深谷かほるさんは作品中で少し批判している.
私も同感だ.(ただし,こんな風に,大きくなった野良猫を手なずけて家に引き込むという非動物愛護的手段はあるヾ(--;) )
上の文章を書いたあと,カマタミワさんのブログで《数日前すごく元気がなかった時のこと》[掲載日 2022年3月1日] を読んだ.そしてまた少し泣いた.
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