誰も戦争を望んでいない
産経新聞《誹謗中傷に嫌がらせ 心痛の在日ロシア人「誰も戦争望んでいない」》[掲載日 2022年3月12日 18:14] から下に引用する.
《ロシアのウクライナ侵攻に国際社会が非難を強める中、会員制交流サイト(SNS)などでロシア人への誹謗(ひぼう)中傷や差別的な書き込みが目立っている。日本国内のロシア料理店や物産品店では、無言電話などの嫌がらせも起きている。在日ロシア人は向けられる敵意に胸を痛めつつ、「誰も戦争を望んでいない。ロシア人というだけで中傷しないでほしい」と訴える。》
《誰も戦争を望んでいない》はプーチンが言い続けていることだ.それどころかラブロフ外相は,ロシアはウクライナを攻撃したことはない,とまで言い切っている.
従って産経新聞の取材に対して当該在日ロシア人は「誰も戦争を望んでいない」ではなく「私は戦争を望んでいない」と言うべきだった.
もし店が攻撃されたというのなら,店頭と店サイトに「当店はウクライナへのロシアの侵攻に反対です」となぜ書かないのか.
北方四島に設置されたロシアのミサイルは北海道侵攻に向けての訓練を開始したと報道されている.(NHK《ロシア 北方領土で地対空ミサイルの訓練 日米をけん制か》[掲載日 2022年3月11日 18:34])
またロシアと中国の艦船十隻が津軽海峡を通過し,共同演習を開始したとも伝えられている.(同NHK《中国軍とロシア軍の艦艇10隻 津軽海峡を同時通過 初確認》[掲載日 2021年10月19日 12:49])
このように既にロシアは,対日本準戦時体制に入っている.この状況下に,戦争反対のために何もしないで安全地帯にいられると思うのはおかしい.
ロシア国内では,戦争反対のデモに対して警官が殴る蹴るの暴行を加えている.さらには,老人だろうが誰だろうか構わず身柄を拘束している.
ロシア人は誰も戦争を望んでいないと主張するのは構わぬ.嘘であってもそれは言論の自由として守られる.
しかし,産経の記事に登場する在日ロシア人は,ロシア国内の同胞が命を失う危険を冒してまで戦争に反対し,プーチンの賛同者たちに殴られている光景を見ても平気なのか.「ロシア人は誰も戦争を望んでいません.従ってもちろん警官も戦争を望んでいません.だから,警官が戦争反対デモの参加者を殴っているのは,戦争とは関係ない別の理由で殴っているのです」と言うつもりか.私には,ロシアの警官は戦争を支持しているとしかみえないのだが.
今朝のNHKニュースでは,ロシア軍による住宅無差別砲撃で,二人の子供を殺された母親の姿を報道した.
産経新聞の記事に登場する在日ロシア人はその光景を見ても平気なのか.「ロシア人は誰も戦争を望んでいません.従ってもちろんロシア兵も戦争を望んでいません.だから,ロシア兵がウクライナ人の子どもを殺しているのは,戦争とは関係ない別の理由で殺しているのです」と言うつもりか.私には,ロシア兵は戦争を支持しているとしかみえないのだが.
件の在日ロシア人が戦争に賛成なら,それでもよい.人には思想信条の自由がある.しかしもし反対なら,全ロシア人が戦争に賛成した [*註] としても,それでも私は戦争に反対ですと何故言わぬ.
[*註]
ロシアの政府系メディアによればプーチン支持率は77%である.これは虚偽だとしても,NHKのロシア駐在記者の取材印象では,年配者のプーチン支持率は高いと思われるとのことである.
防衛省防衛研究所主任研究官・山添博史氏も,プーチンがロシア人に支持されている現実を述べている.(TBS系《サンデーモーニング》)
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ウクライナに自由と光あれ
(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)
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