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2022年3月21日 (月)

信じがたい研究結果

 GIZMODO《オオスズメバチの女王が持つフェロモンの特定に成功。フェロモントラップに活用へ》[掲載日 2022年3月20日 20:00]
 
研究チームが特定したフェロモンの主成分はヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸でした。ヘキサン(カプロン)酸は油臭くチーズっぽく尿のようなニオイで、オクタン酸はわずかに鼻につくニオイで動物の乳に含まれていることがあり、似たような刺激臭のデカン酸は人工果実味などに使われています。殺人スズメバチの雄は、これらの化学薬品を混ぜたものに夢中になるのです。
 Nieh氏の研究チームはこの先、スズメバチの活動時期を迎える中国で、フェロモントラップの有効な範囲をテストする予定。ラボでは、フェロモンのもともとの性質をさらに模倣するため、他にどんな化学成分が重要か絞り込むそうです。
 害虫管理対策としてのフェロモンは既に大きな産業となっていますが、このようなフェロモントラップの成功は人間だけでなくミツバチも望むはず。虫取り用掃除機を背負った人間に彼らを根絶することはできなくても、スズメバチ自身の生殖本能を活用する手段ならうまくいくかもしれません。
 
 にわかには信じがたい結論である.
 説明のために,Wikipedia【フェロモン】から下に引用する.
 
フェロモンは、極めて低濃度でその効果をもたらすものが多い。それはホルモンなどと共通の性質である。その意味で、いわゆる臭いによる情報伝達とはまた異なったものである。》(引用文中の文字の着色強調は当ブログの筆者が行った)
 
 重要なことは,上に文字を着色した《いわゆる臭いによる情報伝達とはまた異なったものである》の箇所である.
 研究チームが,オオスズメバチの性ホルモンであると決定した《ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸》は,林や草むらなどスズメバチの棲む環境中では,ごくありふれた臭い物質だ.
 これらは,脂肪酸の酸化によって生じる物質であり,生物の死骸から生じる.
 また油脂を含む食品が酸化した際に生じる物質でもある.私は若い時に,油脂の酸化生成物の研究をしていたので,断定するが,もしヘキサン酸,オクタン酸,デカン酸がフェロモンだとすると,オオスズメバチはフェロモンが充満した環境で暮らしていることになる.しかしもしフェロモンであれば,そんなことは絶対にない.そんな環境では,オオスズメバチのオスはメスの位置を知ることが不可能になってしまう.
 従って客観的に観て,ヘキサン酸,オクタン酸,デカン酸は,オオスズメバチのオスに対する誘引物質に過ぎない.(ちなみにカプロン酸は私たちの脇の下や足の裏の臭いでもある)
 ただしこれは,ヘキサン酸,オクタン酸,デカン酸混合物の,誘引物質としての実用的な意味 (害虫対策剤) を否定するものではない.
 学問的に,性フェロモンではないというだけのことである.
 Current Biologyは査読のある論文誌だが,レフェリーにも間違いはあるということだ.
 
 
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ウクライナに自由と光あれ
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(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)


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