出典探し(続報1) 大嘘つきの畑啓之という男
先日の記事《出典探し》に私は次のことを書いた.(以下に***で括った箇所)
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そして私は遂に見つけた.畑啓之というかたが書いた文章《「⼿に取るな やはり野に置け 蓮華草(瓢⽔)」の蓮華草とは何かを年初に考える》に《取らずとも》が出てくるのだ.当該文章のスクリーン・ショットを下に掲げる.
あったあった,ありました.どやっ.
大辞林は現在,第四版である.私の推理では,第三版には《取らずともやはり野に置け蓮華草》が載っていたのであるが,第四版が出版された時にこの《取らずとも……》は削除されてしまった.と同時に,コトバンクからも消えてしまった可能性があるのだ.
従ってブロガー《いきなりサラリーマン!》氏は,コトバンクで大辞林第三版の記述を読み,それを引用したと思われる.このひとは一体何を言ってるんだ,なんて疑ってまことに申し訳ない.
あとは,大辞林の第三版と四版を比較してみればよい.横浜の大きな図書館に行けば書庫から第三版を出してきてくれるだろうが,めんどくさいし,コロナ感染流行地の横浜で電車移動して感染するのも嫌だ.そこで古書を注文した.改定前版とはいえ,たった千五百円で状態のよい大辞典が買えるのだから,損はない.
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ところが,大辞林第三版を調べてみたら,畑啓之氏は大嘘つきであることが判明したのである.
大辞林という大部の辞典は著しく字が小さく,今を去ること十二年前に還暦のお祝いとして部下たちが贈ってくれた大きな天眼鏡を取り出して読んでみたところ,項目<やはり【矢張り】>の中に次のように記されていた.
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やはり【矢張り】
……
やはり野に置け蓮華草 レンゲソウのような野の花は、やはり野原に咲いているのが似つかわしい。ものには、本来それにふさわしい場所というものがある。
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これを畑啓之が「大辞林第三版の解説」だとしている箇所と比較してみよう.
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大辞林 第三版の解説
てにとるなやはりのにおけれんげそう【手に取るなやはり野に置け蓮華草】
〔遊女を身うけしようとした人をいさめて、播磨はりまの瓢水ひょうすいという人物が作った俳句といわれる〕
れんげ草のような野の花は、やはり野原に咲いているのが似つかわしい。ものには、本来それにふさわしい場所というものがある。取らずともやはり野に置け蓮華草。
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上の引用箇所中,文字を赤くした部分は,大辞林第三版にはない.すなわち大辞林に記されている解説だと見せかけて,勝手に畑啓之氏が挿入し改竄したのである.文字数にして半分以上が改竄だという大胆不敵のコンコンチキである.
また文字を青くした部分「れんげ草」は大辞林第三版では「レンゲソウ」となっている.これもまた畑啓之氏が勝手に書き換えたのだ.
一体全体,畑啓之 (以下,嘘つき野郎は呼び捨てにしても構わぬことにする) は何ゆえにこんなことをしたのか.
つらつら考察しているうちに,私はハタと (← 駄洒落) 膝を打った.
畑啓之は個人サイト中の自己紹介ページに,座右の銘は《不可能を可能に 無から有を》と書いているのだ.
座右の銘を実行するのはなかなか難しいことだが,畑啓之はやってのけた.
「無から有を」とは,火のないところに煙を立てること,嘘をつくこと,出版物に記載されていることを改竄することだと考えているらしい.
大した度胸である.生まれながらに嘘をつくことに罪悪感がない人間がいるが,畑啓之はその種の人間に違いない.
コンサルをしているようだが,騙された顧客がかわいそうである.
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ウクライナに自由と光あれ
(国旗画像は著作権者来夢来人さんの御好意により
ウクライナ国旗のフリー素材から拝借した)
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