何かあったらひとのせいにする
古市憲寿がフジテレビ《めざまし8》(2/3放送) に出演して次のように述べた.(スポーツニッポン《古市憲寿氏「全員がマスクをする社会を今後も続けるんですかってことはそろそろ考えていいのでは」》[掲載日 2022年2月3日 11:41])
《マスクをしてなくってもいいですよって国が今、増えてるわけじゃないですか、英国とかデンマークとか》
《もちろんマスクはした方がいいし、それはコロナだけに限らず風邪予防とか、あらゆる感染症予防に有効だと思うんですけれども、本当に全員がマスクをする社会を今後も続けるんですかってことはそろそろ考えてもいいんじゃないかなと思いますね》
何が言いたいのかわからぬ.
古市は,マスクをしたほうがいいと考えているのか,それとももうやめたほうがいいと思うのか.この文章ではどちらなのか全くわからない.
旗幟不鮮明とはこのことである.
たぶん古市は,考えるのはいやではないが,考えて得た結論を行動に移すのはいやなのだろう.
つまり古市の考えは「マスクをするのがいいことはわかっているのだが,しかしマスクをしたくない」なのだ.
すべきことを理屈では理解できるが,気持ちとしてはしたくない.て,三歳児か.
マスクをしたくないが,だからといって反マスクの先頭に立つのもいやだ.あれもいや,これもいや.反抗期の子供だ.
そこで誰かが (例えば総理大臣が) 「もうマスクしないでもいいですよ」と言ってくれるのを古市は待っているのに違いない.
それなら何か不都合が生じても,「誰々がそうしてもいいって言ったからしたんだ,ぼくは悪くない」と,ひとのせいにできるからだ.いかにも スネ夫 この男らしい言いぐさである.ジャイアンがそうしろって言ったからしかたなくぼくは
周知のようにマスクは,自分が感染するのを防ぐ効果は二義的なものである.マスク着用の主たる意義は,万が一自分が自覚症状のない感染者となった場合に,無自覚のまま他人に自分の飛沫を浴びせてしまうのを防ぐことにある.
そのことからすると,日本のように社会のほぼ全員に近い人々がマスクを着用すると,その効果は非常に大きい.感染の実効再生産数を低下させるからである.
一方,欧米各国の街頭風景をテレビで見ると,マスク着用者の中に非着用者が多く混在している.
マスク着用者が少ない地域では反マスクの風潮が強く,マスクを着用しているアジア系の人が,マスク非着用者から殴る蹴るの暴行を受けている動画報道を見たことがある.
その逆に,マスク着用者が多い地域で,レストランに入店拒否されたマスク非着用者が,怒って銃を発砲したというニュースも最近あった.
こういう暴力的なまでに反マスク感情が強く,公衆衛生意識が低い社会では,そもそもマスクの効果は小さい.
古市が述べる《マスクをしてなくってもいいですよって国が今、増えてるわけじゃないですか、英国とかデンマークとか》は,自国民にはマスクの効果を期待できない (つまり反マスク意識が非常に強いので着用強制が難しい) と,その政府が諦めたからだと思われる.
また英国は,首相の言行不一致がバレたので,国民からの非難攻撃を回避するために人気取り施策として「マスク着用をしなくてもいいですよ」と言っているのだろう.古市はこの件を知らぬはずはないと思うのだが,それなのに敢えて英国を例に挙げるのは,テレビ視聴者を馬鹿にしているようでいやらしい.
第四波が収束したあと,その後また第五波が収束したあと,私の生活圏では,街を歩いている人々の中にマスク非着用者がちらほらと見受けられたが,第六波が急激に立ち上がったら,マスク非着用者の姿は消えた.古市憲寿が風見鶏あるいはコウモリみたいな御託をどう述べようと,こういう公衆衛生意識の高い国民性は誇っていいと思う.
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