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2022年2月 4日 (金)

国民生活の逼迫

 昨年末から企業からの予告が続いていたが,いよいよ今月から値上げのラッシュが始まる.
 この件についてまとめた記事は多いが,HUFFPOST《2月、これが値上げされる。身近な食品から電気料金まで…その理由は?【一覧表】生活に欠かせないものばかり…何が値上げされる?その理由は?まとめました。》[掲載日 2022年2月1日 13時00分] から下に一部引用する.
 
なぜ値上げが相次いでいるのか。主な理由は、原材料の価格高騰と、原油価格の高騰による物流費や包装資材の価格上昇だ。
 冷凍食品などを値上げするニッスイは、「世界各国での食糧需要の拡大による原材料の価格高騰、国内外での人件費の増加、原油価格の高騰に伴う燃料・包装資材および物流費の上昇は、今や避けることのできない状況となっています」と説明。
 
 値上げの理由として「資材および物流費の増加 (ブログ筆者註;これはエネルギー費の増加と連動している)」と「原材料費の増加」を挙げる (この二つはおそらく事実だ) 企業が多い中,ニッスイは値上げの理由として「国内外の人件費の増加」を挙げている.
 しかし周知のように,一般論としては日本国内の労働者の賃金は上昇していない.
 これについてはウェブ上に多くの資料があるが,ここでは東洋経済ONLINE《日本人の賃金が停滞し続ける「日本特有」の理由 国の賃金を決定的に左右するのは何なのか》[掲載日 2021年12月13日 6:30] から下に引用する.
 
ここ数十年、実質賃金が上がっていない富裕国は日本だけではない。しかし、豊かな国の中で賃金の上昇率だけではなく、賃金自体が下がっているのは日本だけである
 成熟国では、賃金は、100年以上GDPとほぼ同じ割合での成長をしていたが、その傾向も最近はなくなってきている。1995年から2017年の間に、生産性、すなわち労働時間あたりのGDPは豊かな11カ国で30%成長した。しかし、実質的な時間当たりの報酬(賃金+福利厚生)は、その半分の16%しか伸びていない。
日本の状況は「衝撃的」
 日本の生産性の伸びは30%と、他国と同じだったが、労働者の賃金は1%減少している。日本の労働者の賃金が最近まで他国の労働者のそれよりも国民所得に占める割合が高かったことを考えると、この状況は特に衝撃的だと言える。》(引用文中の文字の着色は当ブログの筆者が行った)
 
 ニッスイが我が国において他企業と異なる特殊な会社なら別だが,製品の値上げをせねばならぬほどニッスイの賃金が高騰しているとは思われぬ.
 だとすると,賃金以外の人件費が増加しているということになるが,もしそうだとすると,これは経営者の手腕に係ることであるから,株主に対して説明を要する.
 ニッスイの経営陣は,株主を納得させる根拠を持っているのだろうか.私はあやしいと思う.
 値上げなんてテキトーに理由を挙げておけばいいや,などと考えたのでなければいいのだが.
 
 家庭用製品であるニッスイの冷凍食品の値上げが,国民生活に与える影響は限定的だと思われるが,日清食品の即席めん類の一斉値上げは,若い低賃金層に大きな打撃となるだろう.ぎりぎりまで食費を削っている非正規の若者たちや学生たちは,これから日清食品に追い詰められるといっていい.
 本当に値上げしなければならぬ状況なのか,経済分野のライターたちは,日清食品の内部留保推移について調査公表すべきだと私は考える.
 
 インフレには,景気を刺激する「よいインフレ」と,ただもう国民生活を貧しくするだけの「悪いインフレ」がある.
 今回の値上げラッシュは「悪いインフレ」の入口としか思えない.これを前にして,メディアが政府の見解を求めないのはなぜか.不思議だ.

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