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2022年1月15日 (土)

「十年早い」は誰が使ったフレーズか

 日刊スポーツ《「カムカム」市川実日子演じる「ベリーちゃん」が連日のトレンド入り》[掲載日 2022年1月13日 13:19] から引用する.
 
すでに2人の仲に気付いているベリーは「言うとくけど、私は負け犬やあらへん。ジョーが世界に認められるトランペッターになったら私の勝ちえ!」とトミーに言うとウインクしてみせた。
 この後、トミーから「僕と共鳴せえへんか」と告げられると「私をハントしようなんて100万年早いわ!」と言い放ち、左ハンドルのオープンカーを発進させ海沿いの道を疾走した。
 
 上の引用は,NHKの朝ドラ《カムカムエヴリバディ》の粗筋を紹介したものだ.
 私の記憶では,昭和期に「十年早い」というフレーズがあり,《100万年早いわ》はそれから派生 (ベリーの言葉らしく脚本家が脚色) したものと考えられる.
 その「十年早い」に関する記憶を辿っては見たが,初出がいつ頃のことだったか,誰の言葉だったかが,よく思い出せない.
 しかしなんとなく,東京落語の噺家が用いたフレーズだったような気がする.
 それも圓生あたりが「いくらお足が欲しいからって,おまえさんがいきなり道具屋の商いを始めようなんてぇのは十年早い」と語るのを想像するとピシャリとはまるように思われるのだ.
 
 ところが「十年早い」は,セガのゲーム『バーチャファイター』(1995年リリース) が初出だとする説が流布している.(「10年早い 結城晶」でウェブを検索するとたくさんヒットする)
 私は断言するが,「十年早い」はそんな新しい流行語ではない.『バーチャファイター』元ネタ説は誤りである.
 明治大正とか,そこら辺まで遡って大衆小説などを調べれば「十年早い」は出てくるのではないかと思うが,残念ながら資料を探す気力がない.
 少なくとも《カムカムエヴリバディ 大阪篇》の時代,つまり昭和三十年代のフレーズだとしても違和感を覚える高齢者はいないと思うのである.

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