この上なく優しい接客
夜廻り猫の平蔵は,普通の猫ではない.袢纏 (はんてん) を着て二本足で歩く.
夜な夜な,人の悲しみや苦しみを聞きながら街を廻るのが仕事だ.
辛い話悲しい話を聞くと,平蔵の背中に傷ができる.
平蔵は傷だらけだ.
それでも,時々は傷が癒えることもある.
『夜廻り猫』第七百十三話「ほっと」は,そんな話の一つ.
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