甘太郎焼
先日の記事で,私が大月錠一郎ならトランペットを捨てて,るいとクリーニング屋を始めると書いた.
しかし来週放送分の予告編をみると,物語は岡山編 (るいの母安子と和菓子店の物語) へと回帰するようだ.
驚いたことにるいと錠一郎は,回転焼屋 (大阪では回転焼と呼ぶが,東京では今川焼といい,その他に大判焼など各地で色々な名称がある/中でも今川焼がそもそもの始まりだというのが定説/また有名な「御座候」は固有名詞) を開業する.
ルイ・アームストロング,On the Sunny Side of the Street,ラジオ英会話,戦争花嫁,下半身ユルすぎ男を寝取った略奪女中のその後,和菓子店再建資金持ち逃げ男はどこに逃げたか,などなどとっ散らかったままだ.
岡山編だけでもどうやって山盛りの伏線を回収するのか先行き全く不明なのに,大阪編でさらに回転焼 (焼き上がった回転焼に「大月」という焼印を押しているので「大月焼」か) が加わった.
回転焼は,小麦粉の生地の間にアンコが入っているわけだが,錠一郎が焼いた回転焼を見たるいは「生地の間 (ま) にアンコ (安子)……はっ,これは雉真安子っ,おかあさん!」と言ったりして,まさかのダジャレ落ちにならぬことを祈る.
ところで私の郷里である群馬県前橋市では,品名「甘太郎焼」という今川焼がある.
たぶん昭和三十五年前後のことだが,前橋市の中心の商店街に甘太郎焼の店舗がオープンした.
それまで今川焼は,鯛焼と同じく縁日屋台で売られていた食い物だったのだが,固定屋台の店ができたのである.
大人たちは「あれはホントは今川焼だんべ」と言っていたが,やがてみんな甘太郎焼と呼ぶようになった.
今川焼の今川ってなんだ?と大人に聞いたら「今川義元だかの関係だんべ」という話だった.
朝ドラを観たのがきっかけでそのことを思い出し,ウェブで今川焼の由緒を調べたら,今川義元は無関係だった.
今は東京の交差点名として残っている「今川橋」の辺りで,江戸期に商っていた菓子の名に由来するとのことである.
で,今川焼は全国区だが,関東地方では埼玉県を中心に甘太郎焼が善戦しているようだ.といっても菓子の企業が事業展開 (ex. 御座候) しているわけではなく,固定屋台の店が同名の商品をあちこちで作って売っているという具合らしい.
おもしろいのは,太郎焼,甘太郎焼,新太郎焼など名称にバリエーションが生じていることだ.
神奈川県には,居酒屋で「甘太郎」という店がある.外食企業が経営しているのだが,調べた限りでは今川焼とは無関係だ.
となると「甘太郎」には,居酒屋と今川焼に共通する何らかの由緒があるのではないか.
これを誰か調べてくれんかなあ.わしにはもう時間も体力もないのじゃよ.
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