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2021年12月16日 (木)

猫に有害な猫グッズ

 REANIMAL《猫専用こたつ付きみかん「猫と、こたつと、思い出みかん」にお一人様用3kg入り登場…売上の2%を寄付》[掲載日 2021年12月15日 20:52] には,重大な問題がある.
 
和歌山グルメのネットショップ「チキンナカタ」を運営するnakatxは、猫専用こたつ付きみかん「猫と、こたつと、思い出みかん」において、一人暮らしにも嬉しい3kg入りタイプの販売を開始した。
 
 犬や猫を飼うときに,飼い主がまずしなければいけないことは勉強だ.
 ペットたちは人間とは違う生き物なので,彼らに何を食べさせればいいかを勉強するわけだ.
 昔 (私が子供の頃) は,そりゃもう酷いもんで,人間が食い残した冷や飯に味噌汁とか削り節をぶっかけて犬猫に食わせていた.
 だから,当然だが,ペットたちは早死にした.私たちの食事に栄養バランスが大切であるのと同じく,彼らにも好ましい食餌の栄養バランスがあるのだ.
 
 その栄養バランスは,人間のそれとはかなり異なっているし,年齢によって変わっていくから,動物,特に犬猫の栄養学は難しくて手に負えないと思う人の場合は,ペットには市販のフードを与えるのが安全だ.
 私の知人だが,犬の先祖はオオカミだから肉食だというわけで,飼い犬に鶏肉ばかり食べさせていた.
 しかし犬は,人間が家畜化して以来の長い選抜の歴史があり,現在の犬種は雑食性である.従って植物由来の栄養成分も必要としている.肉ばかり与えるのは栄養バランス崩れまくりだ.よかれと思ってやっていることだろうが,知識もなく手作りするのはペットの健康を損ねる.
 
 さてメインの食べ物や「おやつ」は市販品を購入すればよしてとして,その反対に,ペットたちに食べさせてはいけないものがある.端的に言えば毒性のあるものだ.
 これは必ずかかりつけの獣医さんに訊ねるとか本を読むとかして覚えねばいけない.
 詳しくは大抵の獣医師が開設しているサイトに詳しく解説されているのでそちらに譲るが,実際に猫を飼っている人は承知していることの一つに「猫はミカンを忌避する」という事実がある.
 柑橘類の果皮には,猫に毒性を示すリモネンが含まれていることが多い.リモネンには強い柑橘香気があり,猫はその香りを忌避することで中毒を回避している.長い猫の歴史の中で,リモネンの香気を忌避できない猫種が発生したであろうが,それらは子孫を残すことができずに滅んだのである.
 マクロ的にはそうなのであるが,ミクロ的にいうと,この中毒回避システムには弱点がある.
 嗅覚は鋭敏だが,匂いに「慣れて」しまうことが多いのである.そのため,猫の周囲にミカンがいつもある環境では,猫はミカンを忌避しなくなる可能性がある.
 上に引用した記事《猫専用こたつ付きみかん「猫と、こたつと、思い出みかん」にお一人様用3kg入り登場…売上の2%を寄付》で紹介されている炬燵の販売サイト《CHICKEN NAKATA 和歌山から全国へ 猫とこたつと思い出みかん》には,猫がミカンに足で触れたり,鼻を付けたりしている画像が多数掲載されている.これは,猫たちが危険なミカン果皮の香気を忌避しなくなってしまったことを示している.
 すなわちこの業者は猫を,毒を食えば死んでしまう生き物としてではなく,自分たちの商売の道具として扱っている.モデルになった猫たちが生きようが死のうが,そんなことは関心外.この猫用炬燵を買った消費者の愛猫がリモネン中毒のリスクに晒されても知ったことか.彼ら業者の関心はグッズ販売で得るカネのことだけなのだ.
 猫を飼った経験があるなら,皮を剥いたミカンしか猫に与えてはいけないことを知っているはず.猫に関心がない者たちが猫グッズを売ると言う,ブラックな冗談がこわい.
 
 猫を飼うなら,猫の生活環境からミカン果皮を排除しなければいけない.
 ミカン果皮のある環境に慣れた猫は,足や体毛にリモネンを付着させてしまう.そして毛づくろいのときに舐めてしまう.
 リモネンは脂溶性であるため体内に蓄積されて,やがて中毒症状を呈する.猫の飼育環境にミカンがあっても直接口に入れなければ安全かと言うと,そうではないと獣医師たちがウェブで警告している.
 犬や猫を飼うのであれば,彼らの生活する範囲から毒性物質を排除しなければいけない.これはペットと暮らすためのイロハである.

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