童話世界の猫
深谷かほる作『夜廻り猫』全八巻を読了.
このコミックは猫マンガのジャンルに属するが,作中にはリアル猫と,二足歩行して言葉を話す猫が登場する.
後者は,作者によって擬猫化された人間である,というおもしろい設定になっている.
二足歩行して言葉を話す猫は,童話世界のものだ.主人公の猫である遠藤平蔵は,かつて同級生にいじめられていた少年と,彼が大人になってから再会したりする.遠藤平蔵も,百万回生きるのかも知れない.
また,作者のアイデアによる作品の他に,作者の友人をモデルにした実話や,読者が作者に寄せた実話も描かれている.
出版は一年に一冊で,次の第九巻は来年の秋のようだ.いしいひさいち作『ののちゃん』的なポジションを得て行くのだろう.
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