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2021年11月28日 (日)

魚の寄生虫 オエー

 先日,藤沢駅北口のデパート「さいか屋」の地下にある鮮魚店で,赤カレイの切り身を買い求めた.
 帰宅して,その赤カレイを煮付けにしたのだが,出来上がった煮付けを見て私は驚いた.
 切り身の原形をとどめずに,鍋の中で身がグズグズドロドロに崩れていたのである.
 その奇怪な煮付けのようなものを見て,私は「これは何だ?」と首を傾げてウェブを検索した.
 すると,これは「ジェリー・ミート」と呼ばれている現象であることがわかった.ジェリーはjellyである.片仮名では普通はゼリーだが,魚肉の異常を特に指す場合はジェリーと書くことが多いようだ.
 Wikipedia【クドア】に以下の簡単な記述があるが,他にも漁業や水産物関係のサイトに詳しい説明がある.
 
ジェリーミート
ジェリーミート(死後筋肉融解)は魚を収穫した後に筋肉が溶けて商品価値が失われる現象で、ホシガタクドア(Kudoa thyrsites)などが引き起こす。魚の死後にタンパク質分解酵素を分泌して周囲の組織を融解するのが原因とされている。
 
 財団法人水産物市場改善協会のサイトにはもう少し詳しい説明がある
 
[質問] チリ産ギンザケの身が溶けた。/加工した冷凍サバを解凍したら身が溶けた。/魚の身の中に黒い粒が入っている。
 [回答] 腐敗とは関係なく軟らかくなった筋肉や、筋肉中に空洞ができたりしたものをジェリーミートという。原因として、粘液胞子虫の寄生や、産卵後など極度な栄養の消費などのほか、原因のわからないものもある。今のところ有効な対処方法はない。
 [解説] (1)粘液胞子虫によるジェリーミート 粘液胞子虫は粘液胞子虫門に属する生物の総称で、ミクソゾアとも呼ばれる。単細胞で、大きさは約10ミクロンと非常に小さく、単体では肉眼で確認できない。粘液胞子虫の集まり(シスト)を宿主(魚など)の組織が包み込み、白や黒の粒状の異物として見つかることもある (「ホシ」と呼ばれるものなど)。宿主である魚などが生きている間は、粘液胞子虫が寄生していても大きな変化は起こらない。宿主が死ぬと、粘液胞子虫は宿主の体外に出るため蛋白質分解酵素 (プロテアーゼ)を分泌し、筋肉組織を破壊する。冷凍魚の場合、凍結により酵素の働きが止まるためジェリーミートは進行せず、解凍や調理によって酵素が活性化して筋肉が溶かされる。このように、ジェリーミートは時間経過とともに進行するので、事前に発見することは困難である。マグロ類の異常肉の一つである「あずき」と呼ばれるものも、粘液胞子虫によるジェリーミートである。なお、粘液胞子虫は人体には寄生しないので、食べても無害である。[以下省略]》
 
 要約すると,粘液胞子虫という寄生虫がある種の魚に寄生し,宿主が生きているうちは単に寄生しているだけであるが,魚が死ぬと粘液胞子虫は魚体外に出るためにタンパク質分解酵素を分泌して魚体の筋肉を溶解するのだ.
 粘液胞子虫の酵素によって溶解された魚の状態がジェリー・ミートである.
 私は,これまでたくさんの魚を食べてきたが,ジェリー・ミートに遭遇したのは初めてである.
 
 このような異常な魚肉を,トレー・ラップ包装されて店頭に並べられている状態で消費者が見抜くことは不可能である.購入して調理して初めてジェリー・ミートであることに気が付くのだ.
 しかしネットに書かれている消費者の報告を読むと,切り身に加工した鮮魚店は,ジェリー・ミートであることを知っているのではないかという疑いがある.悪質な鮮魚店は,それを承知で安い価格で売るらしい.
 私の場合のように,家庭で調理したあとでジェリー・ミートだとわかっても,わさわざ店にクレームを付けに行くのも面倒くさいので泣き寝入りすると思われる.
 カレイは粘液胞子虫に寄生されることが多いらしい.寄生されたカレイの煮付けは,実にグロい.もうカレイの煮付けは作る気がしなくなった.

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