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2021年10月26日 (火)

食料品価格の上昇は国民を直撃する

 来年早々に小麦粉製品が一斉に値上げされる.既に家庭用小麦粉は七月に,ミックス粉製品とパスタは九月に値上げした.
 原料となる輸入小麦の政府売り渡し価格が引き上げられたことが直接原因である.
 下に引用した通り,日経新聞《国産大豆ミール価格、10~12月6%高、中国需要増で国際相場上昇》[掲載日 2020年10月26日 18:12] 他は,家畜用飼料の原料が高騰していることを既に伝えた.国産大豆ミールの価格が上昇することは,国産畜肉価格が上がることを示している.
 
家畜の配合飼料原料となる国産大豆ミールの大口価格が上昇した。製油会社が配合飼料メーカーに販売する10~12月期の価格は前四半期に比べて6%高い。中国の旺盛な需要を背景に国際相場が強基調で推移しているためだ。値上がりするのは3四半期ぶりで、2年ぶりの高値水準にある。
 大豆ミールは大豆を搾って食用油を生産する際にできる「脱脂大豆」のこと。新価格は1トン6万2400円前後(中心値)と7~9月期比3800円程度上がった。
……
 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外食産業の低迷から業務用食用油の需要は減少。搾油が減り大豆ミールの発生も落ち込んだ。
 
 日清オイリオ,J-オイルミルズ,昭和産業は食用油価格の値上げを,これも来月に実施する.
 小麦粉製品と食用油の価格上昇は,コロナ禍の打撃を,無策の政府が基礎食料品製造業に転嫁した結果である.
 
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大第五波がほぼ収束して,テレビのニュースが何をしたかというと,そこら辺の居酒屋で客も店主も「よかったよかった」「酒はサイコーです!」と浮かれている様子を報道した.
 なぜ日本の政府もメディアも,飲み屋が我が国の基幹産業であるかのように騒ぐのか不思議でならない.
 飲み屋がつぶれても,まともな勤労国民は一向に困らぬ (脚註) が,外食店や,いわゆる中食を扱う店 (スーパー,コンビニ,持ち帰り弁当店等) は国民生活に必須である.つぶれたら国民生活は破綻する.
 これらの,主として酒ではなく食事を提供する本来の意味での飲食店は,コロナ禍で痛めつけられた.
 その本来の意味の飲食店をさらに基礎食料品の値上げが,コスト増となって襲う.
 そしてさらに,基礎食料品の価格上昇は,コロナ禍で困窮した低所得家庭,非正規労働者,苦学生を困窮させる.国民年金だけが頼りの老人は飢えにおびえる.
 この状況下では,日本国民の一部に過ぎない酒飲みのことなんか放っておけばいいのだ.(私はかなりの酒飲みだが,そう思う)
 既に,食料品の価格を安定化する制度は種々あるのだが,政府がそれをやらないのはなぜか.
 飲み屋にばかり税金を投入して救済するのはなぜか.
 飲み屋の盛況と日本国民の民度は反比例する.
 飲み屋の救済は,愚民政策である.飲み屋が繁盛すれば政権は安泰である.
 
[註]
 サントリーの新浪社長はコロナ禍の真っ最中,NHKの日曜討論に出て「飲食店や観光業の人材を職業訓練して,ITなどの成長産業へ振り向けねばいけない」と述べた.
 正気とは思えぬ.どんな職業訓練をするつもりだ.
 
 戦後日本は経済成長の果てにサービス業を肥大させた.もちろん経済成長に絶対必要なサービス業はあるが,その一方で消費するだけのサービス業がある.
 すなわち高級も低級もひっくるめて,国の富を消費するばかりである飲み屋は,余剰労働力である.
 人口減少が進行している現在は昭和三十年代と逆の局面である.サービス産業の余剰労働力は,かつての産業政策とは反対方向に,農業へ移動させねばならない.
 これなら職業訓練が有効な手段である.

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