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2021年10月 6日 (水)

client をクライエントと言う業界

 先日 (9/30) 放送のテレビ朝日《科捜研の女 19, #3, カナダから来た男》を観た.
 ある殺人事件の被害者が生前に心理カウンセリングを受けていた心理療法士の越田由美子に,大門刑事が事情を聴く場面で,気になることがあった.
 大門刑事が「(カウンセリングの) クライアントが…」と言ったところ,カウンセラーの越田は「カウンセリングの世界ではクライアントではなくクライエントと言います」旨のことを言った.
 クライエントという言葉を私は初めて聞いたので,驚いて Wikipedia【クライエント】を開いてみると,
 
クライエント(client)とは、英語で依頼人のこと。とくにカウンセリングなど心理療法を受ける人、および社会福祉における相談者のことをいう。広告代理店の顧客もクライエントという。 カウンセリングでは「来談者」と訳される。これに対し心理療法を施す人は「セラピスト」(治療者)という。
 ビジネス分野における顧客、コンピュータ・ネットワークにおける端末という意味のクライアントと英語では同語であるが、日本語では表記が異なる。
 
と書かれている.Wikipedia【クライアント】にも同様の記述がある.
 日本人の耳には client はどう聞こえるか.ウェブ上には,英語のネイティブ・スピーカーによる発音を聴くことのできるサイトがあるので,それを聞くと,client [kláiənt] を無理やりに片仮名で書くとすれば「クラァィアントゥ」に近い.この「アントゥ」の「ア」は曖昧母音 ə だということを知った上で,一般的な片仮名表記をするなら「クライアント」と書けばいい.
 しかし,これを「クライエント」と書いた場合,「エント」の「エ」を ə と発音する日本人はほとんどいないと思われる.
 そこで不思議に思われることは,心理療法士や広告代理店社員は,英語ネイティブな外国人と会話する際にどのように発音しているかということである.
 これはまず間違いなく[kláiənt]を「クラァィアントゥ」に近い発音をしているはずだ.そうでなければ相手に通じない.
 だとすると,心理療法や広告代理業の人々は,自分の口では[kláiənt]と発音しているのにもかかわらず片仮名表記は和製英語である「クライエント」だと書いているわけで,それはストレスにはならないのだろうか.
 
 私は自分と同業の自然科学系技術者との会話では client は[kláiənt] と発音するし,相手も[kláiənt]と発音する.
 だから《科捜研の女》の台詞のように「カウンセリングの世界ではクライアントではなくクライエントと言います」と片仮名通りの発音で言われたら,違和感を覚える.同じ片仮名的な発音なら「クライアント」のほうがマシだと思う.
 大門刑事は「クライアントではなくクライエントと言います」と言われたあとは,相手に合わせて「クライエント」と発音したのだが,私は強情に「クラァィアントゥ」と言って突っぱねるだろうなあ.喧嘩になるかも,だが.

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