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2021年7月28日 (水)

アル中社会

 朝日新聞DIGITAL《「五輪なのに我慢無理」 感染者最多更新で東京の街は》[掲載日 2021年7月28 7:00] から一部を下に引用する.
 
渋谷区に住む男性会社員(33)も「いつかこうなると思っていた。『頑張っても感染者数は減らない』と、みんな諦めているんじゃないか」と話した。
 時短営業となってから、多くの飲食店は午後7時~8時の時間帯、夕食にありつこうとするサラリーマンで満席だという。「宣言も4回目。みんな慣れてきている。これ以上の我慢はできないと思う」。
 
 なぜ朝日新聞社 (だけではないが) はここまで巧妙な嘘をついてまで飲み屋を擁護するのか.
 
 文中の会社員が言う《『頑張っても感染者数は減らない』と、みんな諦めているんじゃないか》は間違いだ.
 事実を書けば,「日本の社会を守るために多くの人々が頑張っても,そんなことより酒を飲むことしか能のない馬鹿野郎どもと,そいつらが払う飲み代で生きている飲み屋のせいで,感染者数は減らないと,みんな諦めているんじゃないか」である.
 東京都の新規感染者数が三千人を超えて過去最多となっても,東京の盛り場では相変わらず馬鹿野郎どもが飲み会をやっている.
 飲み屋の店主たちは,ありがたがってホクホク顔だ.
 こいつらは,実は自分が無症状感染者 (スプレッダー) であり,自分が感染拡大に一役買っているかも知れないという想像は全くできないのである.
 頭が馬鹿だから想像力がないのだ.
 馬鹿にも色々あるが,酒ばかり飲んで世間に迷惑をかける馬鹿が最低の馬鹿である.
 大雑把な喩え話だが,この社会を支えているのは,全体の二割の人々である.いわゆるエッセンシャル・ワーカーや,食糧生産者,道路や治水等のインフラに関わる人々がここに入る.
 残りの六割は,この二割の人がいないと何もできない人たちだ.(近年の知見によれば,社会を支える二割の人々に欠員が生じると,この六割の人々の中から自然に有能な構成員が発生して欠員が補充される.これがサステナブルな社会というものらしい)
 余った二割は,ロクデナシである.
 ロクデナシは仕事が嫌いで,仕事をするのに必要な気力体力を養うためのきちんとした食事よりも,思考力をマヒさせる酒が大好きで,暗くなれば街に繰り出し,《多くの飲食店は午後7時~8時の時間帯、夕食にありつこうとするサラリーマンで満席》になる.
 ここで嘘吐きの朝日新聞は《飲食店》と書いているが,馬鹿野郎どもが集うのは,実は飲食店ではなく,まともな食事とは無縁の単なる酒場である.
 さらに朝日新聞は《夕食にありつこうとするサラリーマン》と書いているが,やるべき仕事そっちのけで飲み屋に殺到する会社員たちが「ありつこうと」しているのは夕食ではない.酒だ.朝日新聞は,酒を食事だと言い張っているが,粉飾もいい加減にせい.
 日本の行政システムは,感染症流行を前提としていない.
 感染症病原体が,主として呼吸器を経由して感染する新型コロナウイルスのような病原体であるか,あるいは経口感染する食中毒等の病原体であるかが,流行防止対策を立てる上で施策が異なってくるのだが,幾つかの法律は,食事を提供する営業と,酒を提供する営業を区別していない.
 そのため行政が「飲食店」という漠然かつ大雑把な概念で対策を講じてきたために,現状が生じたのである.
 ようやく最近になって,感染流行地の自治体知事は,食事ではなく,飲酒を禁じることの大切さを認識して,大雑把な区分の「飲食店」に「酒の提供の停止」を要請してきているが,これでは生ぬるい.
 もっと明確に,「食事のみを提供する」営業には時短を解除して通常営業を許可し,料飲店 (つまり飲み屋,酒場だ) には営業停止を命じるメリハリが必要だ.これには食品衛生法と風営法が使える.
 食事を提供する営業は国民生活に必須だが,料飲店 (飲み屋) は異なる.平時には存在してもいいが,感染症流行時には,国民の健康を害する無用有害の生業なのである.
 いわゆる「飲食店」のうち,主として酒の提供を利益源としている経営者たちが「酒の提供停止要請」に対して「おれたちに死ねというのか」などと言う.だが国も自治体も,彼らに死ねとは言っていない.店をたたんでくれと言うと,これは職業選択の自由を制限することになるから,そうは言わない.そうではなくて,飲み屋の経営者たちが,もっと生産的で社会的な価値のある生業に転じてくれるのを暗黙に期待しているのである.
 
 栄養学はヒトの食事を研究する学問だが,飲酒はその研究対象ではない.
 飲酒は食事ではないからである.飲酒は医学が扱う依存症の一種だ.
 日本社会には,生まれて死ぬまで酒と無縁の人生をおくる人々がいる.いやむしろそのような人々が多数派だ.
 夜になると酒場に駆けつけ,仕事のことも自分の健康栄養のこともそっちのけで酒を呷る連中が日本の都市部には多いが,しかし国民全体からすればそれは一握りに過ぎない.
 そのような連中はアル中なのである.現時点で厚労省の使命は,短期的には現在のコロナ禍を凌ぐことだが,長期的施策としてアルコール依存症対策が必要だ.
 感染症専門家は,料飲店における会食が感染を拡大させていると見ているが,だとすれば根本的には,日本社会からアル中を根絶すれば,まず間違いなくコロナ禍は沈静化するはずだ.
 
 つい最近の知見によると,新型コロナウイルス感染症ワクチンの効果は,治験で得られている有効期間は半年だが,もっと短いかも知れないという.
 大暗愚宰相菅義偉はとにかくワクチンを打てばなんとかなると能天気に語っているが,政府の新型コロナ分科会尾身会長は懐疑的だ.
 新型コロナウイルスのデルタ株が非常に感染力が強いことと,ワクチンの効果が限定的 (有効期間が短い) であるために,国内の七割の人々がワクチン接種を受けても,集団免疫の獲得は困難だと,尾身会長は閉会審査中の国会で語った.欧米の現状は尾身会長のその見解を支持しているようだ.
 つまりワクチンが切り札にならない,ワクチンだけではコロナ禍を収束させることができないとすれば,私たちの生活そのものを新型コロナウイルス感染症に対して強いものに変えて行かねばならないのだ.
 すなわち社会変化に対応した新しい生活の構築だ.
 まず,会社員はもっと仕事をしようではないか.そして暗くなったら飲み屋に行くのではなく,まともな食事を摂るようにしよう.
 まともな食事に酒はそれほど必要ない.グラスビール一杯とかグラスワインが一杯あれば足りる.
 食事中にそれ以上飲むのはアル中だと自覚しよう.
 明日の仕事のために食事をきちんと摂った上で,酒を楽しみたいなら,自宅で静かに嗜もう.
 飲み屋で,上司や会社の悪口を肴に口から飛沫を飛ばして騒ぎ,酩酊して帰宅するという生活は,新型コロナウイルス感染症に対して極めて脆弱無防備である.この生活を変えねばならない.
 民間クリニックでコロナ禍の現場に向かい合っている大谷義夫氏 (東京池袋・大谷クリニック院長) はよく知られた医師だが,氏のクリニックにやってくる感染者からの聞き取り調査では,やはり会食が感染拡大の重要な原因だという.(7/30朝,NHKニュース)
 大谷医師は控えめに「会食」と述べたが,平たくあからさまに言えば,「飲み会」である.
 とすれば,日本における感染拡大の舞台は飲み屋だ.
 その観点からすれば,現在の日本の大都市の盛り場は異様だ.
 なんでこんなに酒場,居酒屋が東京には密集しているのか.
 東京の夜の街の有様は,地方都市の市民にはまことに理解しがたい.
 東京は,一日の新規感染者数が四千人に迫り,感染爆発前夜の様相を呈しつつある.しかるにテレビ局のインタビューに,居酒屋で酔っぱらった会社員が「二千人だろうが三千人だろうが,東京の人口にくらべればなんでもない.(酒を) 我慢なんかしてられない」と言った.
 享楽に滅びたソドムの街人を見るようだ.
 
 多くの国民は,コロナ禍を案じ,憂いている.この社会を危機に陥れているのは彼らではなく,全体の二割に過ぎないアル中の馬鹿者どもだ.
 都も府も,行政は料飲店の営業許可を厳格化して店舗数を強く抑制するとともに,それらの店の客であるアル中どもの撲滅に取り組まねがならない.
 飲酒は家庭で静かに行う,これが常在コロナ禍の時代の新しい生活だ.

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