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2021年6月14日 (月)

ジンギスカンの思い出 /工事中

 地方のテレビや新聞等のメディアが,その地方独特の物の言い方や単語に影響されているってことがあるんだなあと,おもしろく思った.
 その例として,北海道放送《「金がなかったが、食べたかった」ジンギスカン1袋をリュックに…逮捕の45歳、所持金は数百円》[掲載日 2021年6月14日 9:09] を下に引用する.
 
13日午後、札幌市西区のスーパーマーケットでジンギスカン1袋を盗んだとして、45歳の男が逮捕されました。
 窃盗の疑いで逮捕されたのは、札幌市西区の45歳の無職の男です。男は13日午後3時半ごろ、札幌市西区のスーパーマーケットで、ジンギスカン1袋(販売価格753円)を盗んだ疑いが持たれています。
 
「ジンギスカン」は省略した言い方で,「ジンギスカン料理」のことだ.その辞書的な意味はこうだ.
 
Wiikipedia【ジンギスカン (料理)】
ジンギスカンは、マトン(成羊肉)やラム(仔羊肉)などの羊肉を用いた日本の焼肉料理。鍋料理に分類されることもあるが調理方法は鉄板料理の調理方法である。
 
精選版日本国語大辞典【ジンギスカン料理】
(昔、ジンギスカンが戦いの際に軍勢を鼓舞するために野外で羊肉をかぶとの上であぶり焼いて兵士に食べさせたという伝説から) あらかじめたれに漬け込んだ羊肉や野菜を鉄板・金網・鍋などで焼きながら食べる料理。ジンギスカン。
 
 他の百科事典も辞書も,語義の解説は大同小異である.
 つまり一般に「ジンギスカン」と言った場合,それは料理名である.
 ところが冒頭に引用した北海道放送の文章では,料理名ではない.
 おそらく,北海道ではスーパーで販売されている「味付け加工してポリ袋に包装した羊肉」も,ジンギスカンと呼んでいるのだろう.
 これが北海道ローカルではなく全国区のメディアが全国に流す記事なら「味付けジンギスカン」としただろう.
 たぶん記事を書いた北海道放送の社員にとっては「ジンギスカン」があまりにも日常普通の言葉なので,「ジンギスカン1袋」が全国共通に通じる言い方なんだと思ってしまったのだろう.
 
 さてジンギスカンには忘れられない思い出がある.
 昭和四十六年の初夏,私は東大農学部の学生だった.
 私が理科二類に入学したのは昭和四十三年だが,その夏に東大闘争全学共闘会議が結成され,秋にかけて全学部が無期限ストライキに突入していった.
 翌昭和四十四年に闘争が壊滅するまでのことは,この闘争に中心的に関わった数人の人たちが書籍を出版しているので,私がここに書くまでのことはない.
 思い出というのは,卒業前年のことである.
 私は高校生の時から薬学部志望で,それで薬学部に進むのに有利な理科二類に入ったのであるが,東大闘争の最中に全く勉強しなかったせいで,薬学部への進学に失敗し,農学部に進んだ.
 だが農学部の講義は,おもしろくなかった.私と同じ研究室で卒論を書くことになった宮内君という同級生は,大学院へ行くことを決めていたが,私は東大闘争の後遺症というか,多くの級友がそうだったのであるが,学問に関心を失いかけていた.
 しかしさりとて積極的に就職しようという気もなく,だらだらと無気力な毎日を過ごしていた.
 そんなある日,実験をしていた時に,所属講座の助手の先生が私のところに来て,教授のM先生が呼んでいるから教授室に行くようにとのことだった.
 恐る恐る教授室に入ると,窓を背にした大きなデスクの前に,院生がゼミなどをする大きなテーブルがあり,そこに背広を着た三人の人たちが席に着いていた.
 

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