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2021年6月29日 (火)

ゾウたちの南への転進を喜ぶ

 かなり前に書いた《北進するゾウたち》(6/9掲載) のその後.
 
 新華社《雲南省のゾウの群れ、移動ペース速め南進続ける》[掲載日 2021年6月27日 17:53] が伝えたところによると,象たちは無事で,方向を南に変えて移動を続けているという.
 
中国雲南省で進行を続けている野生のアジアゾウの群れは25日午後5時 (日本時間同6時) から26日午後5時の間、ペースを加速させながら南に10キロ移動し、同省玉渓市峨山 (がざん) イ族自治県の富良棚郷から塔甸 (とうでん) 鎮付近の林に入った。群れからはぐれた1頭は、群れから北東に53.3キロ離れた林で活動していることが確認された。
 
 欧州各国各民族に比較すると,中国 (の漢族) と朝鮮,日本には動物を資源と見る感覚が強かった.
「ペットを飼う」という生活習慣が,なかなか育たなかったのである.
 日本人が表向きは犬を食わなくなって久しいが,中国と朝鮮では今でもおおっぴらに犬を食用にしているし,中国南部では野生動物なら何でも食ってしまう.
 中国南部は新型コロナウイルス感染症に続いて,これからも野生動物に由来する人獣共通感染症の発生源であり続けるだろう.
 のみならず中国人は,食用ではなくカネのために貴重な野生動物を殺戮することにためらいがない.
 この点は日本は中国の相棒であった.
 両国では象牙を工芸品材料として多量に消費してきた過去があり,アフリカゾウの密漁と違法売買の中心であった.
 中国では,根拠もなく野生動物の内臓を生薬として売買してきたおぞましい歴史もある.
 また一部の日本人には,それらの生薬を珍重して服用してきた恥ずべき過去がある.
「北進するゾウ」の報道を知って私が危惧したのは,彼ら十五頭のアジアゾウが行政的に殺処分されてしまうのではないかということだった.
 しかしこのゾウたちのニュースは全世界に伝えられたから,行政が彼らを殺す可能性は幾分か低くなったと思われる.
 ゾウたちが元の生息地に戻ってくれることを祈る.
 
 しかしゾウたちが村落に侵入して,人命や財産に被害が生じたりすれば,中国政府が黙ってはいないだろう.その状況は中国政府にとって千載一遇の機会だ.
 そんなことがあったら,あの酷薄な顔つきの中国外務省・趙立堅報道官が「ゾウは共産党の指導と教育に従わねばならない.生命の尊重というたわごとは免罪符ではない」と冷たく述べるだろう.
 彼らにとって,台湾国民,香港人,国内少数民族とゾウは人間以下なのである.
 習近平思想に従わずに自由に生きるゾウたちが,なんとか生き延びて,これからも自由でありますように.
 
 ついでだが,通販向けのペットの子犬や子猫をダンボール箱に詰めて情け容赦なく輸送し,窒息死させた中国人たち (売るやつも買うやつも両方) に天罰が下りますように.

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