« 言わんでもいいことなのに /工事中 | トップページ | 犬の物語 »

2021年6月20日 (日)

なんで飲み屋ばかりが優遇されるのか /工事中

 我が国がコロナ禍に見舞われてから既にかなりの時間が過ぎた.
 これまで,厚労省のアドバイザーである感染症関連分野の専門家諸氏は,毎日の新規感染者数が,いわゆる「人流」と強い相関関係にあることをデータで示してきた.
 このことに高い蓋然性があることは,テレビ各局の情報番組が両者の推移をグラフ化して図示しているが,これを観れば一般国民にも容易に理解できる.
 現在,この日々の新規感染者数と「人流」の相関を否定しているのは橋下徹ただ一人である.
 橋下徹の主張は「新型コロナウイルス感染症は飛沫感染であるから,感染は人と人が近距離で接近することで起こる.人と人が近距離で接近することと直接の関係はない『人流』を抑制するのは,経済に打撃を与えるだけで無意味だ」というもの.
 感染症専門家は,新規感染者数と「人流」に正の相関関係が存在することを,「人と人との近距離接触」は「人流」が増加すると増加するという正の相関関係で説明していて,これは論理的かつ妥当な解釈であるわけだ.「相関関係」という高校数学の基礎事項が,橋下徹の理解力ではたぶんわからないのだろう.
 というわけで,手指の消毒やマスクの着用その他の基本的感染対策が個々人の行うべきものとすれば,行政的な対策である「人流の抑制」が感染拡大防止策の柱の一つになっている.
 
 さて「人流の抑制」は感染拡大防止に必要だが,これは結果的に消費の抑制になってしまう.私たちの消費行動の多くは不急不要のものだからである.
 この「コロナ後に先延ばし」された消費行動は,小売業だけでなくその川上の広範な事業者に打撃を与えている.
 テレビの報道を観ていると「緊急事態宣言解除後に飲食店で酒類の提供を認めるかどうか」などと,飲み屋の話ばかりしている.
 まるで,コロナ禍は飲み屋にばかり影響しているかのような風潮である.
 実際にはもっと広範な小売業種が追い詰められているはずだ.
 例えば一昨日,東京では古い歴史のあったパン屋の築地木村屋が閉店した.同店の「けしあんぱん」は東京名物の一つでもあった.
 長引くコロナ禍で業績が低迷したことが閉店の理由だという.
 そこら辺のいい加減な居酒屋が何軒潰れても,この国の食文化にとっては屁でもないが,築地木村屋のような店が倒れたら国民的損失だ.
 私は,行政もメディアも,食事を提供する店と,酒を提供する店を,一緒くたにして「飲食店」と呼んでいるが,これは大変な間違いだと思う.この二つは区別されるべきである.
 世の中には自宅で食事を摂れる人もいるが,外食に頼らざるを得ない人は多い.だから食事を提供する店は,私たちの生活になくてはならないものだが,飲み屋はそうではない.
 飲み屋は,銀座の高級クラブから赤羽の立ち飲み酒に至るまで,世の中にあってもなくてもいい生業である.
 しかも酒を提供する店は,カラオケ店と並んで感染拡大の舞台の一つだ.カラオケパブなんてのは最悪だ.
 食事を提供する店,つまりフレンチ・レストランから立ち食い蕎麦屋に至る店は,酒を提供する店の,いわば巻き添えを食っているのである.
 築地木村屋のような有名店の閉店は報道されるが,テレビが報道しないだけで,実際にはもっと広範な,飲み屋ではない店が経営困難になっているという.
 なのに,テレビは飲み屋の経営が苦しいという状況ばかりを報道する.
 酒がそんなに大事なことなのか.日本人はいつから酒飲みばかりになったのか.
 日本国民の多くは飲んだくれではないと私は信じたいが,東京の盛り場では都の要請を丸っきり無視して
 

|

« 言わんでもいいことなのに /工事中 | トップページ | 犬の物語 »

新・雑事雑感」カテゴリの記事